ラフマニノフ 交響曲 第3番 名盤

ラフマニノフの代表作は何と言ってもピアノ協奏曲第2番。けれども聴き応えの点では第3番も少しも劣りません。第3番をメインに演奏するヴィルトゥオーソ・ピアニストも多いぐらいです。この曲の愛聴盤は幾つも有って、ホロヴィッツ、ガヴリーロフ、アルゲリッチ、中村紘子、それにラフマニノフ本人の録音です。それに今回加わるのがラザール・ベルマンがアバド指揮ロンドン響のサポートで1976年にセッション録音したディスクです。ロシアには昔から「幻の演奏家」という触れ込みで紹介される人が多かったですね。かつてはリヒテルもそう、このベルマンもそうでした。現在もグリゴリー・ソコロフなど少なくとも我が国では未だに「幻」の状態です。ラザール・ベルマンは風貌が「森の熊さん」(「マッサン」なら森野熊虎??)なので、それまでのクラシック演奏家の神経質なイメージとは随分異なって見受けられました。しかし神経質に見えないのは演奏にも共通していて、例えば”病的なまでのデリカシー”のようなものは感じませんでした。テンポも基本的にイン・テンポを崩さないので、案外と武骨な印象を持つほどです。ですので個人的にはそれほど興味を持っていたピアニストでは無かったのです。この演奏に関しては、”アバドのロシア物”というのもさほど興味が有りませんでした。アバド本人は昔からロシア物が大好きですが、僕は申し訳ないけれど正直言って”ニセモノ”という偏見の目で(耳で?)見ていました。今でも基本的には変わりません。それがどうして今頃このCDを聴いたのかと言えば、たまたま聴いた試聴で気に入ってしまったからです。第1楽章はゆったりとしたイン・テンポで特にルバートを効かせることも無く、淡々と進みます。一見「ベルマンは曲への思い入れが希薄なのでは」とでも思ってしまいそうです。けれどもそれは間違いで、一点一画を曖昧にしない演奏が徐々に大きな造形感を生み出し、圧倒的なスケール感を感じさせてゆきます。このあたり、”ピアニストのジュリーニ”という印象を受けます。ロンドン響は必ずしもロシア風の歌い回しが出来る訳では在りませんが、楽壇の持つ音色は渋く暗く、この曲にうってつけです。これがもしもベルリン・フィルであればずっと明るい音になってしまい、余り向いていなかったと思います。第2楽章も同様ですが、アバドも後年のようなくどさが無く、管弦楽の響きはベルマンのピアノと静かに溶け合って、遠い夜のしじまの様に感じられます。しかしそれは徐々に盛り上がってゆき、やがては愛の調べとしてエクスタシーに到達します。うーん、「逢いびき」!(←意味不明??)第3楽章でもせせこましさが無く、大地にしっかりと立つ様な堂々とした風格を感じます。いわゆる「情熱的な演奏」とは異なりますが、さりとて冷めている訳でも何でもなく、聴き終えた後には「素晴らしい音楽を聴いた」という充実し切った余韻を残してくれます。ということで、今後はしばらく棚から第一に取り出したくなる愛聴盤の座を占めそうです。ちなみにこのCDは2枚組で1979年のカーネギーホール・リサイタルのライブ録音がメインとなっていますが、そちらも中々に素晴らしいものです。<関連記事> グスタフ・マーラー(Gustav Mahler/1860年~1911年)の「交響曲第3番」は、1895年から1896年にかけて作曲されました。 演奏時間は100分ほどもあり、大曲の多いマーラーの中でも 現時点ではこのメニューの読み込みに問題があります。 新編名曲名盤300 ラフマニノフ|ピアノ協奏曲第3番|HMV&BOOKS online コンビニ受け取り送料無料! Pontaポイント使えます! 支払い方法、配送方法もいろいろ選べ、非常に便利です! 大切な人を大切に想うときに聴きたい♫ 静かに想う…長くて深い、 夜の静寂(しじま)と淡い月 ラフマニノフ: 交響曲第2番:第3楽章 「アダージョ」とはイタリア語で、「くつろぎ」の意味。 音楽用語では「ゆっくりと」という指示として、使われますね。 こんにちは。質実で良い演奏ですね。3番はアシュケナージが一番好きですが、演奏スタイルも似ている感じがしました。一楽章のカデンツァはこの版が重厚で断然いいです。作曲者本人も含めて微妙に違うものを弾く人が多いので。ラフマニニフは渋面で不健康なイメージに反してなぜか行進曲が得意という一面もある不思議な作風ですね。終楽章のラストの輝きが見事です。投稿: NY | 2015年3月21日 (土) 00時01分NYさん、こんにちは。このカデンツァは凄く良いですね。前後の流れにピタリハマっていると思います。アシュケナージは3番が好きなようで、録音も5種類は出ているようですね。部分試聴のみですが、コンドラシンと録音した古いものが一番気に入りそうな気がしました。細かい表情づけはベルマンよりもやはり多彩ですね。投稿: ハルくん | 2015年3月21日 (土) 09時33分こんにちは、3番はアルゲリッチ、ポロヴィッツのようにピアノの技巧を堪能するための録音をまず取り出すのですが、ベルマンの演奏は曲を素直に味わうのには最適ですね。個人的にはサポート役のアバドの巧さも評価しています。投稿: リベルテ | 2015年3月23日 (月) 11時03分リベルテさん、こんにちは。この曲はずっと、アルゲリッチ、ポロヴィッツ、あるいはガヴリーロフのようにヴィルトゥオーソタイプの演奏を好んでいましたが、ベルマンの演奏を聴いてからは好みが少々変わった気がします。アバドもとても良いですね。見直しました。投稿: ハルくん | 2015年3月24日 (火) 00時00分ハルくんさん、こんばんは。投稿: ヨシツグカ | 2015年4月 3日 (金) 21時23分ヨシツグカさん、こんばんは。ベルマン盤聴かれたのですね。アバドも普段よりずっと良いと思います。投稿: ハルくん | 2015年4月 3日 (金) 22時43分私もいろいろ聴いてきましたが、この演奏が一番好きです。最近ではラザール・ベルマンは少し忘れられてきているのが寂しいです。投稿: くまさん、こんにちは。”森の熊さん”ベルマンのラフマニノフ、いいですよね。この人の独奏曲もやはりお勧めなんですね。投稿: ハルくん | 2015年4月28日 (火) 12時27分この記事へのトラックバック一覧です: ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番、パガニーニの主題による狂詩曲が交響曲・管弦楽曲・協奏曲ストアでいつでもお買い得。当日お急ぎ便対象商品は、当日お届け可能です。アマゾン配送商品は、通常配送無料(一部除く)。 ラフマニノフの代表作は何と言ってもピアノ協奏曲第2番。けれども聴き応えの点では第3番も少しも劣りません。第3番をメインに演奏するヴィルトゥオーソ・ピアニストも多いぐらいです。

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