4 $) である。通常の平方数が $4$ で割って $2$ 余ることはありえないので $z^2$ は $4$ の倍数であることになる。しかし、$x$ と $y$ のどちらかは奇数であるから、$x^2 + y^2$ を $4$ で割った余りとしてあり得るのは、$1$ か $2$ のみである。これは矛盾である。したがって、$x + yi$ が $\lambda$ で割り切れることはない。また実は $\lambda$ は複素整数の世界では素数である。したがって $x + yi$ と $\lambda$ は互いに素である。このことを利用してユークリッドの互除法を適用すると、${\rm gcd}(x - yi, x + yi)$となって、$x + yi$ と $x - yi$ とが複素整数の意味で互いに素であることが導かれた。したがって、$(x + yi)(x - yi) = z^2$ より、$x + yi$ と $x - yi$ はともに複素整数の意味で平方数になるのでと表せる (厳密にはこれに $±1, ±i$ 倍したものを含む)。これを展開することで、が得られる。途中多少入り組みましたが、要するに $x + yi$ と $x - yi$ とが複素整数の意味で互いに素であることを利用するという非常に明快なロジックでした。 16$)となります。よって、$1 \le a' \le 15$ を合わせて考えると、$a' = 1$ しかないです。よって答えは $a = 625$ のみとなります。$F_0 = 1, F_1 = 1, F_{n} = F_{n-1} + F_{n-2}$ で表されるフィボナッチ数列についてです。ユークリッドの互除法を用いると${\rm gcd}(F_{n}, F_{n-1})$が成立するので、数学的帰納法を用いて証明できそうです。実際が言えるので OK です。フェルマーは$n$ を $0$ 以上の整数としたとき、$F_n = 2^{2^n} + 1$ はすべて素数になるのではないかと予想しました。実は間違っていたことがわかるわけですが、$F_n = 2^{2^n} + 1$ の形で表される整数をフェルマー数、特に素数になっているものをフェルマー素数と呼びます。$n$ が小さい場合はです。ここまでは確かに素数だったのですが、オイラーによって $F_5 = 4294967297 = 641 × 6700417$ と反例が見つかりました。しかしながらフェルマー数については$n$ と $m$ を相異なる $0$ 以上の整数とする。$2^{2^n} + 1$ と $2^{2^m} + 1$ は互いに素である。というかなり面白いことが示せます。フィボナッチ数は「隣接する」2 つが互いに素であったのに対し、フェルマー数はどの 2 つも互いに素になっています。一般性を失わず $n > m$ とします。${\rm gcd}(2^{2^n} + 1, 2^{2^m} + 1)$を計算します。$n = m + k$ として、ユークリッドの互除法を用いると${\rm gcd}(2^{2^n} + 1, 2^{2^m} + 1)$と計算できます。少し入り組んでしまいましたが、相異なるフェルマー数が互いに素であることが示せました。「素数が無限にあることの証明」もユークリッド原論で示された非常に鮮やかな証明として知られています:$a = 2 × 3 × 5 × ... × p + 1$とする。いずれにしても $p$ より大きな素数を得ることができる。しかしながら、前節のフェルマー数を利用した鮮やかな別証明方法があります。すなわち、フェルマー数 $F_n = 2^{2^n} + 1$ はどの 2 つも互いに素であることを利用します。どのフェルマー数も少なくとも 1 つの素因子を持っていて、それらはどの 2 つも互いに異なる必要があるため、素数が無限にあることになります。$x^2 + y^2 = z^2$ を満たす整数 $(x, y, z)$ の組をピタゴラス数と呼びます。いわゆるピタゴラスの定理 (三平方の定理) に登場してくる式で、これを満たす $(x, y, z)$ は長さ $z$ の斜辺をもつ直角三角形の三辺の長さになります。最初の考察として、$d = {\rm gcd}(x, y)$ とおくと、$z^2$ は $d^2$ の倍数になるため、$z$ は $d$ の倍数であることが必要です。よって、$x = dx', y = dy', z = dz'$ とおくと、$x'^2 + y'^2 = z'^2$ になります。すなわち問題は $x$ と $y$ が互いに素である場合に帰着されます。$x$ と $y$ を互いに素であるとする。$x^2 + y^2 = z^2$ を満たす整数 $(x, y, z)$ は、$m, n$ を整数として具体例として、$m = 2$, $n = 1$ とすると、$x = 3, y = 4, z = 5$ と有名な直角三角形が登場します。ピタゴラス数は実は普通の整数論でも導くことができるのですが、整数を拡張してである。ここからは整数を複素整数 ($x$, $y$ を整数として $x + yi$ で表されるものを複素整数と呼ぶ) に拡張して考える。実は複素整数の世界においても、ということが知られている。$x + yi$ と $x - yi$ とが複素整数の意味で互いに素であることを示す。$\lambda = 1 + i$ とおく。ここで、もし $x + yi$ が $\lambda$ で割り切れると仮定すると、$z^2 = x^2 + y^2 = (x + yi)(x - yi)$ は、$(i + i)(1 - i) = 2$ で割り切れることになってしまう。ここで以下の性質を利用して矛盾を導く:$a$ を通常の整数の意味での整数とすると、$a$ が奇数のとき $a^2 ≡ 1$ (${\rm mod}.
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ちなみに、$\displaystyle \varphi = \frac{1+\sqrt{5}}{2}$ は「黄金比」と呼ばれているものですね。既に示した通り、$b\geqq F_{N+1}$ であり、さらに $F_{N+1} \geqq \varphi ^{N-1}$であることもわかったので、\[ b \geqq \varphi ^{N-1} \]が分かりますね。$b \geqq \varphi ^{N-1}$が得られましたが、右辺はまだ少しわかりづらいので、次のように変形してみます。まず、両辺の常用対数を考えると、以上から、次のことが分かります。例えば、「144と89の最大公約数」をユークリッドの互除法で求めるなら、89は2桁なので、10回以下の計算で求められるということですね。実際に計算してみると、次のようになります。ここでは、ユークリッドの互除法で計算回数がどの程度になるか、評価してみました。小さい方から順番に割っていく方法の場合、何も工夫しなければ、最大で $\sqrt{b}$ 回の計算が必要です。しかし、ユークリッドの互除法を使えば、数億の場合は桁数が9桁なので、45回以下の計算で必ず最大公約数が求まるんですね。ユークリッドの互除法は、大きな数の最大公約数を求めるときに計算が大幅に減ることがよくわかりますね。YouTube を始めました!数学の過去問の解き方や、数学の考え方を解説していくサイトです。©2016 - 2020 なかけんの数学ノート All rights reserved.
ここでは、ユークリッドの互除法と関連のある連分数について紹介します。入試で扱われることは少ないですが、こういう応用例を知っておくのも悪くないでしょう。特に、 $\sqrt{2}$ の連分数展開はインパクトがあるので、結果だけでも見ておくとおもしろいです。【目次】ユークリッドの互除法を説明する際、さて、上の式を、右辺の1つ目の数字でそれぞれ割ってみましょう。すると、次のようになります。上で出てきた $\displaystyle \frac{1649}{221}$ という分数は連分数の形で書けましたが、これはたまたまではありません。どんな有理数も、連分数で書くことができます。手順は、ユークリッドの互除法と同じ流れです。例えば、 $\displaystyle \frac{r_0}{r_1}$ という有理数を考えましょう($r_0$, $r_1$ は自然数)。 $r_0$ を $r_1$ で割った商を $q_1$ 、余りを $r_2$ とするとこのように、新しく分母に出てくる分数を置き換えていく操作を繰り返していけば、いつかは終わります。計算が進むたびに余りはどんどん小さくなっていくからです。しかも、逆数にして代入していくので、各分子はすべて $1$ になります。結局、次のような形で表せることがわかります。また、計算をしていけば、逆に有限段の連分数が有理数で書けることもわかります。「有理数は有限段の連分数の形で書ける」と書きましたが、では、無理数の場合はどうなるでしょうか。以下では、 $\sqrt{2}$ を使って考えてみましょう。突然ですが、次の式を考えてみます。\[ 1+\frac{1}{1+\sqrt{2}} \]この値は、次のようにして求めることができます。ただ、これだけを見ても、この連分数はただ気持ち悪いだけで、何の役に立つのかよくわかりません。しかし、これから述べるように 上で使った次の式\[ \sqrt{2}=1+\frac{1}{1+\sqrt{2}} \]を応用して、次のような数列を考えてみましょう。\[ a_{n+1}=1+\frac{1}{1+a_n} \]ここで、スタートの $a_1$ は適当な正の数としておきます。 $a_1$ が正の数なら、この漸化式から、すべての自然数 上の結果を繰り返し使えば\[ |a_{n+1}-\sqrt{2}| \lt (\sqrt{2}-1)^n |a_1-\sqrt{2}| \]が得られます。 $n\to\infty$ とすれば右辺は $0$ に収束するため、 $a_n$ は $\sqrt{2}$ に収束することがわかります。つまり、適当な正の数を $a_1$ として\[ a_{n+1}=1+\frac{1}{1+a_n} \]を使って計算していけば、 $\sqrt{2}$ の近似値が得られる、ということです。実際、 $a_1=1$ として計算してみると、上で見た通り、 $\sqrt{2}$ の連分数展開は次のようになります。次のように、縦が $1$ で横が $\sqrt{2}$ の長方形を考えてみます。日常でよく使うA4やB5といった紙のサイズは、この比率になっています。続いて、この長方形を、「正方形と長方形」に分割します。残った長方形(長方形Aと呼びます)を、もう一度「正方形と長方形(長方形Bと呼びます)」に分割します。右側にできた大きな長方形Aと右下にできた長方形Bは相似になります。そのことを確かめてみましょう。長方形Aは、短い辺と長い辺の比が $(\sqrt{2}-1):1$ となります。また、右下にできた長方形Bは、長い辺が $\sqrt{2}-1$ で、短い辺がこれは、長方形を「正方形と長方形」に分割したとき、元の長方形と同じ形の長方形が残る、ということです。これを繰り返せば、この「正方形と長方形を分割する操作」は何度やっても永遠に終わることがない、ということがわかります。さて、この図形の分割と連分数展開との関連について見ていきましょう。 上では $\sqrt{2}$ の連分数展開を見ましたが、もう一つ有名なものを簡単に見ておきましょう。分母が次のようにすべて $1$ になっているものです。ここでは、ユークリッドの互除法の関連として連分数を紹介し、有理数の連分数展開と $\sqrt{2}$ の連分数展開について見てきました。 $\sqrt{2}$ の連分数展開は分数が無限に出てきますが、これの図形的な解釈も見ました。近似値を出すのに使うこともできるので、他の分野に応用することもあります。YouTube を始めました!数学の過去問の解き方や、数学の考え方を解説していくサイトです。©2016 - 2020 なかけんの数学ノート All rights reserved. ユークリッドの互除法の応用例 1-1.
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