怪奇大作戦 第24話『狂鬼人間』の欠番について 第24話「狂鬼人間」は1969年2月23日での本放送後、1984年に岡山放送で再放送が行われたのを最後に、2016年現在まで一切再放送が行われていない。映像 … 怪奇大作戦 第12話「霧の童話」 <あらすじと感想> 怪奇大作戦 第12話「霧の童話」は、 1968年12月1日に放送された。. 本作の劇伴曲は本作の音楽テープは、『怪奇大作戦 ミュージックファイル』(1996年2月1日発売、玉木の記憶によると、指揮と独奏バイオリン:玉木宏樹、ジューズ・ハープ:山本直喜(山本直純の実弟)、京琴:山内喜美子、フルート:衛藤幸雄、アコーディオン:風間文彦といった有名演奏者が揃っていた※当初、出演者の候補には※ 出典『円谷プロ画報』206 - 207頁。()表記の人物は演じた俳優(クレジット順)。 『ウルトラセブン』の後番組。空想科学から現実科学へ、怪獣から怪奇へ、巨大ヒーローから等身大の大人たちへ、驚くばかりの転身を遂げている。怪奇現象を「人間が科学を悪用した結果」とする世界観がたまらない。ゆえに怪奇現象から透けて見えるのは、人間の欲望や怨嗟、そして社会の危うさだ。まぁ、科学と言っても荒唐無稽な疑似科学ばっかり。わざと疑似科学を引っ張ってきたのか、当時のスタッフは本気でそう信じていたのか? ギリギリの雰囲気がいい。見どころは牧史郎のめちゃくちゃな推理。飛躍しまくってるが、それが真実だから困る。「そんな馬鹿なッ!」とツッコミながら見てほしい。牧史郎(岸田森)がどこまでも真剣だからこそ成り立っている。SRIは民間組織だが、警察との共同調査が多く、半官半民組織と言える。なぜ警察内部に設置しないのか? SRIの組織概要や設立経緯はまったく語られない。設定厨の私としては、もったいなくて身悶えする。各エピソードの感想を書き記しておく。演出は荒いし、意味不明なストーリーも多いが、それも含めて味わいだ。「あるいは、目の錯覚かもしれない。とにかく人間が壁にめり込むはずがない」[あらすじ] 予告してから美術品を盗み、壁にめり込んで消えてしまう「怪盗キングアラジン」が出現。警察はSRIに協力を要請する。[感想] 記念すべき第1話。壁にめり込むビジュアルは強烈。後半はあれよあれよと展開し、だれも予測しなかった壮絶なラストを迎える。箱が水圧でつぶれてしまうなんて、どんだけ深い湖なんだろう? そんな疑問も、すべてを受け入れた妻の決意に吹き飛ばされる。いつまでもコーヒーを飲めない所長がよかった。「自然発生した蛾がやったように見せかけるために、無差別に殺してるんだ!」[あらすじ] 人間が白骨化する事件が相次ぐ。被害者は自動車メーカーの開発者ばかり。SRIの調査で、死体から蛾の鱗粉と猛毒のチラス菌が検出された。[感想] 蛾から赤ん坊を守るシーンに戦慄する。注意すべきはチラス菌だが、やはり蛾に対して恐怖を抱くようになる。犯罪の手口は奇抜だが、動機は単純。そのギャップがおもしろい。「でも一度だけでいい。お父様の本当のお顔が見たい!」[あらすじ] 白昼のオフィス街で、ライターでタバコに火を付けようとした男が炎上した。被害者が交際を迫っていた女性を調べると、過去にも言い寄ってきた男性が変死していた。彼女は事件現場で「白い顔の男」を目撃していた。[感想] しかし父娘の絆は残った。現代なら「共依存」とみなされるが、60年代はそこまで踏み込んでくれない。事件解決後、ケーキのクリームで白くなった顔がマスクに変わるエンディングが秀逸。いいよいいよ。「超音波だ...」[あらすじ] 路上で赤電話に出た男が突然発火した。事件現場では、甲高い音が聞こえたとの証言があり、SRIの牧は、高圧機による人体発火ではないかと推測する。[感想] このころは赤電話から路上の人を呼び出せるのか。電話に出ただけで殺されてしまうのは怖い。しかし聞こえないから超音波じゃないの? 牧の推理や言動は強引すぎて、狂気を感じる。異常者でなければ、異常犯罪を追跡できない。「滝に打たれて一人目が...橋から落ちて二人目が...」[あらすじ] 若い女性が路上で凍結死する事件が相次ぐ。SRIの三沢は、現場で不審な女性を見かけ、追跡する。彼女は歌手で、「死神の子守歌」という歌を歌っていた。その歌詞は、凍結死事件の様子と一致していた。[感想] マニアに高く評価されているエピソードだが、ストーリーは破綻気味。胎内被曝の悲劇、妹を救うための無差別殺人など、テーマは重いのだが、歌になぞらえて実験する理由がわからない。歯車が噛み合ってない。「48時間おきに事件は起こってる。ということは、48時間ごとに多量の血液を必要とする人間がどこかにいるんだ」[あらすじ] 交通事故でルーマニアの吸血鬼が目覚めた。[感想] 唐突なホラー。科学的な説明も乏しく、番組の雰囲気に合わない。鏡の前で変身するニーナは圧巻。「狙われてるのはこの僕なんだ! 誰かに! あなた方の想像もつかない方法でね!」[あらすじ] 友人宅で一泊することになった三沢。深夜、何者かの襲撃を受けて傷を負う。同じ頃、帰宅途中のサラリーマンが刃物で殺されたことから、三沢は容疑者となってしまう。[感想] 襲いかかるフランス人形は怖いけど、ストーリーは難解。ただ、事件の背景に老人の孤独があったのは驚き。こういうエッセンスは怪奇大作戦ならでは。「彼女の証言によりますと、犯人は、燐光を発する何者かっていうことになります」[あらすじ] 住宅街でサラリーマンが変死する。死ぬ瞬間を目撃した部下は、光る液体のようなものを見たという。検死の結果、死因は亜硫酸ガスによる中毒死と判定される。牧は、被害者が行方を追っていた人物が、事件になんらかの関係があるのではと推測する。[感想] ビカビカ点滅するアメーバの表現が怖い。例によって牧の推理は強引で、異常者そのもの。会社のために人を殺す狂気と、復讐のために自分を作り替える狂気が対比されているようだが、しっくり来ない。牧の目に事件は、どう映っているのか。「おい! いつまでこんな狂った実験を続けるんだ!」[あらすじ] 毎夜起こる交通事故。タクシーやトラックの運転手のあいだでは「散歩する首」という噂が囁かれており、これが原因ではないかと考えられた。[感想] 首が浮遊するビジュアルは強烈だが、その説明やドラマへの組み込みはいまいち。死者の復活と、首の浮遊はべつに扱うべきネタだ。エンディングで、夜のドライブ編がはじまる。タケダの看板がまぶしい。「俺は...この日の来るのを5年...5年間待っていたんだ...!」[あらすじ] 自宅でテレビを見ていた男が心臓を撃たれて死亡した。直接の死因は心臓の火傷と判明。テレビを調べた牧は、特定の電波を受信する仕掛けを発見する。[感想] テレビからレーザーを発射する殺人方法は特殊だが、事件の背景は単純な復讐だった。牧の父親の話が少しだけ語られるが、事件を総括するには至らない。いろいろ設定があるのに活かせてない。「これを完成させるんだ...その研究、その実験のためには、お金がたくさんいるんだよ」[あらすじ] 誘拐事件が発生。唯一の目撃者である兄は、プラモ屋でもらったサングラスをかけたらグランドキャニオンが見えて、気がつくと弟が消えていたと言う。警察は兄の証言を無視し、SRIに協力を要請した。[感想] ホログラフィというより、バーチャルリアリティだ。子どもを殺そうとしなければ、胸のすくエピソードになったかもしれない。この研究が実現したら、世の中はひっくり返るだろうな。「亡霊を見るという幻覚症状が、みんな同じように起きるということがありうるでしょうか?」[あらすじ] 山奥の村で、落ち武者の亡霊に襲われる事件が多発。調査に訪れた三沢は、村が海外企業による土地買収をめぐって、反対する老人と賛成する若者が争っていることを知る。[感想] 60年代の山村の情景が素晴らしい。このころは蒸気機関車が走っていて、子どもたちは木造校舎で学んでいたのか。事件は、老人たちが落武者伝説を利用したものだったが、村が鉄砲水で壊滅した事実を見るに、呪いは呪いで実在したと思う。「バカな、あいつが生きてるはずがない。ビクビクするな。あと一年もしてみろ、世界中の科学者が、俺とお前の前に跪くんだ...」[あらすじ] 古いビルで2つの変死体が発見される。SRIが調査すると、男の首に凍傷が見つかる。ここには実験室があって、なにかが逃亡したようだ。[感想] 冷凍人間の頭から白い煙が出てるのが笑える。「冷凍中も代謝はつづき、低温に対する耐性をもった(つまり犯人は冷凍人間)」という牧の超推理がたまらない。SRIはサンビーム500という兵器で冷凍人間を撃退する。7年前に死んでいたとはいえ、SRIが手を下すのは問題があるような。「昨日と同じようにして、また殺しちまったんだ...!」[あらすじ] 山中で激しい雷雨に見舞われ牧は、山荘にいた女性に一夜の宿を借り受ける。その夜、牧は不審者を絞め殺す夢を見た。目覚めると、夢で見たとおりに男が死んでいた。[感想] いつもの事件捜査とちがって、メンバーが偶然巻き込まれる展開がよかった。しかし犯人にとっては災難で、SRIメンバーでなければ犯罪が露見することもなかっただろう。序盤の羽根飾りで死んじゃうトリックは余計だったと思う。「日本は負けちゃったんです」[あらすじ] 横須賀湾で米兵の連続殺人事件が発生。目撃者となった被害者のガールフレンドは、海から黒い人間が出てきて、米兵を海中に引きずり込んだという。警察は証言を信じず、逆に彼女を容疑者とにらんでいた。しかし牧は彼女を信じたいと思った。[感想] 牧の血だらけの調査に驚く。なにがそこまで駆り立てるのか。戦時中に亡くなったというお姉さんの話をもっと聞きたかった。本エピソードは残留日本兵を扱っているが、横井さんや小野田さんはまだ見つかっていない。当時はファンタジーだったことが、のちに現実になってしまったわけで、スタッフも驚いただろう。「真面目で、大人しくて、イタチのようにおどおどした目のこの男が、どうして...」[あらすじ] 住宅街で切り刻まれた女性の遺体が発見された。警察は切断面から日本刀による犯行と推定。悲鳴を聞いた者がいないことから、どこか別の場所で殺害されて、ここに遺棄されたと考える。流しの犯行であり、第2第3の事件も起こりうると助言するが、警察は聞き流してしまう。[感想] 犯人は逮捕されるが、動機は不明なまま終わる。なぜこんなに手間のかかる、残酷な手段で殺害したのか? 無言の逮捕が不気味だった。「なんてったって科学が進んできた今日...ありえるかもね」[あらすじ] 会見中の女優の胸元からネックレスが消えた事件と、岡山で起こった怪奇現象に関連性を感じた三沢が調査に向かう。[感想] ストーリーがわかりにくい。麻薬密輸組織の隠れ蓑にしては、大がかりだし、逆に注目を集めてしまうだろう。ちょっと前時代的なネタだった。「犯罪手口も、だんだん巧妙になるぞ。今に想像もつかないほど」[あらすじ] 護送中に脱走した容疑者が、SRIに助けを求めてきた。世の中に同じ指紋を持つ人間が2人いることを立証してほしいと言う。彼は、身に覚えのない殺人容疑で逮捕されていた。[感想] 指紋手袋とは意外! しかも応用範囲は広い! これはミステリー界を揺るがす発明だ。「悔しいけど、奴の方が一歩先に行ってる」[あらすじ] SRIのメンバーが家路につこうと建物を出ると、コウモリの群れが襲いかかってきた。怪しい人影を見かけるが、捕まえられなかった。見つかったのはコウモリの剥製と「119」と記されたメモ。SRIへの挑戦かもしれない。翌日、『こうもり男』と名乗る輩から脅迫状が届けられた。[感想] 所長と警部以外は、戦争を知らない世代なのか。こうもり男は神出鬼没だが、動機はハッキリしない。最後の感電死も呆気にとられた。なんだったんだ、こいつは?「あなたのいのちはあと30秒です」[あらすじ] 旧友に相談を持ちかけられ、勤め先に出かけていく的矢所長。彼は社内で幽霊を目撃したという。しかもその姿は、先ごろ亡くなった社長の部屋に飾ってあるダイアナの絵にそっくりだという。[感想] コンピュータの片言の音声が笑える。「油絵に見せかけたCRTディスプレイ」に表示されたダイアナが実体化して、弓矢は殺傷力をもつのに、こちらの攻撃は当たらない。どういう仕組なんだ! コンピュータが神のごとく描かれているのは、だれもそれを見たことがなかったせいだろう。「美というのは一体、誰が決めたのか知らんが...怖いことだなぁ」[あらすじ] 事件もなくヒマをもてあましたSRIメンバーは、喫茶店へ。少し離れた席に座っていた女性が突然苦しみ、身体が黒く変色して倒れた。殺人事件と直感した牧は、女性が店内で口にしたり、触れたものを調べはじめた。[感想] 美を失った被害者が心を病んで、無差別に復讐する。その構図は恐ろしいのだが、胸元の火傷じゃ説得力がない。あるいは、だからこそ病んでいるのかもしれない。彼女は顔ではなく、身体を売っていたとも考えられる。消化不良な気もするが、具体的に描くのは難しそう。「頼まれた? 誰に!」「くるま...」[あらすじ] 三沢は目を離したすきにトータス号を盗まれてしまう。本部からトータスの無線を呼び出すと、盗んだのは頭の悪そうなカップルで、これから心中するとうそぶく。そのとき、赤いスポーツカーがトータス号を抜いて、排気ガスを浴びせた。ガスを吸い込んだ男は興奮し、運転が乱暴になった。[感想] SRIの万能カー・トータス号を描いたエピソード。トータス号はデザイン的にも、機能的にも、番組の雰囲気に合っていないと思うが、せっかく作ったのだから使わないとね。事件は未解決のまま終息する。交通事故が相次ぐのは運転手の問題か、それとも?「もうじきSRIに見破られる...このままでは、一つでもようけ売ったるのや!」[あらすじ] 京都で老人の変死が相次ぐ。SRIの調査で、被害者の視神経が焼かれていることや、同じ骨董品店から壺を購入していたことが判明する。その店を訪れた牧は、若い店員の挙動がおかしいことに気づく。[感想] 贋作作りをさせられた陶工による迷惑な復讐だった。しかし見どころは事件より、終盤で焼け落ちる妙顕寺のシーンであろう。通常1/20サイズで作られるミニチュアを、1/6サイズで作ってしまったため、実物と見まごうほどリアルになっている。「あたしがいい方法を教えてあげましょうか?...平気で相手を殺せて、しかも無罪」[あらすじ] 深夜の操車場で男が刺し殺される。犯人はすぐ捕まったが、精神異常者として釈放されてしまう。≪刑法第39条 心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セズ≫ 同様の事件が6つも連続していることを、町田警部は訝る。[感想] 放送禁止になってしまったエピソード。なるほどギリギリの内容だが、プロットの秀逸さは飛び抜けている。刑法第39条に苦しめられた犯人の末路はなんともむなしい。「私...、生きてる男の方とお話しするのも悪くない...、今はそう思ってますわ」[あらすじ] 京都では仏像消失事件が起こっていた。調査に派遣された牧は、不思議なたたずまいの女性・ミヤコと出逢う。その夜、ミヤコはディスコで踊る若者たちに「京都を売ってくれ」と持ちかけ、署名を集めていた。牧が理由を問うと、彼女は「仏像が好きだから」と答えた。[感想] ミヤコは仏像になったのか、もともと仏像だったのか。まったく意味不明だが、大人のラブロマンスがかっこいい。「お母さん...、お母さん...」[あらすじ] SRIメンバーは、さおりの友人アキコの護衛として、那須ハイツに赴いた。差出人不明の招待状は、死に別れた父親によるものではないか?[感想] 最終回だけどパッとしないエピソード。シーンがあっちこっち飛ぶので、状況が把握しづらい。地平線の向こうに巨大なゆきおんなの顔が見えるシーンは強烈だが、意味が伴っていない。25話が最終回だったらよかったのに。* * * Copyright © trynext.com All rights reserved.
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