日本酒を飲むときに欠かせないおちょこ。漢字では「お猪口」と書きますが、どうしてこのような呼び方になったのでしょうか。お猪口の語源については諸説あるらしいですが、1番もっともらしいと言われているのが「ちょく(猪口)」から転じた説。お猪口の底面に二重丸が描かれているのを見たことがある人も多いですよね。利き酒をするときは、香りや味わいだけでなく色や質感も大切な要素となります。蛇の目では、白い部分で日本酒の「白い器に描かれる蛇の目は青(藍)色が一般的ですが、その色にも理由があるとか。日本酒は一見透明ですが、色相環の図でいえば反対の位置にある色を補色といい、赤の補色が緑、そして黄色の補色が青紫色となります。つまり、お猪口には、少し傾けただけで飲み切れるほど小さいもから手で握るほどの大きさまで、さまざまなサイズが存在しています。お猪口もぐい吞みも日本酒を飲むための小さな器であることは同じですが、どのような違いがあるのでしょうか。ぐい吞みの語源は「グイっと飲む」「グイっと掴んで飲む」からきていると言われることが多いですが、定かではありません。お猪口は陶磁器製のものが多いですが、最近ではガラスや木製のものもあり、ぐい吞みもさまざまな素材で作られていることから素材の違いではなさそうです。お猪口とぐい吞みに明確な基準や違いというものがないようですが、個人的見解では蛇の目が描かれているものはお猪口、そうでないものに関しては小ぶりなものがお猪口、そうでなく掴んで(握って)飲むものがぐい吞み…というような違いになるのではないでしょうか。お猪口で日本酒を飲んでいると、お酒のおいしさもさることながら誰かと話しながら飲むことで、自然と飲む量が増えています。お猪口が小さいためあまり飲んでいないように感じますが、気づくとへべれけになるほど飲んでしまっていた…なんてことも。 閉じる1〜5件/6件中 みなさんの飲食店ではどのような「酒器」、つまりおちょこやとっくりを使っていますか?あまりこだわっていない、安いものを百均で揃えている、あるいはもっと安上がりにメーカー支給の商品名入りのものを使っている、という場合もあるかもしれません。徹底した低コストで、お客様にも1品280円均一などの戦略で展開しているのであれば、それでも問題ありません。しかしある程度の価格帯の店で、あまり安すぎる酒器を使うのはあまりおすすめできません。お酒の美味しさの何割かはその酒器にかかっていると言っても過言ではありません。何よりセンスのいいものを使っていると店の格が上がり、集客アップにもつながります。つまり、ある程度酒器にはこだわってお酒を提供したほうが、長い目で見れば店舗にとってメリットがあるのです。そこで今回は、日本酒がさらにおいしく感じるとっくりやおちょこにはどういうものがあるのかご紹介していきます。まず基本的なことから確認していきましょう。そもそも「とっくり」とはどのような酒器を指すのでしょうか。定義的に言うと、日本酒を入れておちょこに移すための、首が細くなっている形状の酒器がいわゆる「とっくり」です。語源にはいろいろな説がありますが、お酒を注いだ時に「トクトク」と音がするのが由来だという話もあります。特にこの音がするとっくりが重宝がられますが、この音は口が広すぎては鳴りません。しかし、狭すぎてもお酒の注ぐのに手間取ってイライラしてしまいます。この点から、ベストは小指が入る程度の口がよいとされています。内容量はものによって180mlから1.8Lまで幅広いですが、飲食店で用いるのは、このうちのいわゆる1合とっくりとして150ml~180ml入るもの、あるいは2合とっくりとして300~360mlのものが多いとされています。ちなみに、よく熱燗を注文する時に「お銚子1本ちょうだい」などと言いますが、実はお銚子ととっくりは異なり、実際に提供するのはとっくりのほうです。お銚子とは、正確には金属製でしゃくしのように長い柄のついた酒器です。お銚子を1番見かけるのは、結婚式の三三九度で巫女さんがお酒を盃に注ぐ時に用いる時ではないでしょうか。とっくりで提供する日本酒を「お銚子1本」というのは本来なら間違いなのですが、とっくりのことをお銚子という言い方をすることも多くありますので、覚えておきましょう。これに対して、「おちょこ」はお酒を飲むほうの酒器です。この語源は「ちょっとしたもの」を意味する「ちょく」や、飾り気がないことを表す「直(ちょく)」が転じたと言われています。形状は筒胴、丸胴、六角形、八角形など非常に多様で、材質も陶製からガラス製まで幅広いです。このおちょこは、本来はお酒を入れるものではなく、懐石料理で少量の和え物や酢の物などを盛り付けるために使われていました。しかし、江戸時代中期から酒器や蕎麦の器として使われ始め、現在ではそちらの方がメインの使用法になっています。おちょことは用途も形も似た「ぐい飲み」というものがあります。「ぐい飲み」はおちょこよりもひと回り大きいサイズとなっています。おちょことぐい飲みの明確な区別はありませんが、語源だとされる「ぐいぐい飲める」程度の大きさだと考えればよいでしょう。とっくりとおちょこについて、一般的には陶器のものを想像される方も多いかとは思います。しかし、実はとっくりとおちょこに使用される材質は意外に幅広いのです。ガラスの酒器は、ビール、白ワインなどのように冷たいお酒を飲む場合に適しています。したがって日本酒の場合も、冷酒の時にガラスの酒器で提供すると涼しさが際立って美味しく感じられます。一般には「陶磁器」とまとめて扱っていますが、実は「陶器」と「磁器」の2つを指し、原料も製法も異なります。 まず陶器の原料は陶土といわれる粘土です。これを800~1200℃の、磁器に比べて低い温度で焼きます。その結果、表面はざらざらと目が粗くなっているのが外観の特徴です。そのままでは水を吸ってしまい、酒器としては役に立ちませんが、釉薬をかけて水が通らないようにしています。たたくと鈍い音がします。これに対して、磁器の原料は石です。磁器を製造するのに適した岩石を砕いて粉にし、これを粘土と混ぜて約1300℃の高温で焼きます。その結果、ツルツルとした肌触りの、キメの細かい外観になります。水を通しにくい材質ですので、色やシミが付きにくいのも特徴です。たたくと高い音が鳴り、陶器よりも硬くて耐久性があります。金属製の酒器もあります。1番の典型は錫(すず)でしょう。錫(すず)は錫石という鉱石を高温で溶かし、鋳型にはめて器の形にし、ろくろで削って製品化するものです。錫(すず)イオンが持つ不純物を吸収する効果はお酒を柔らかくまろやかな味にするため、昔から「錫(すず)でお燗をつけると一級上がる」と言われています。その点と、錫(すず)の持つ高い熱伝導率によって燗が速くつく利便性から、ちょっと年季の入った居酒屋などでは錫(すず)の酒器を使っていることも多いとされています。ただし、一般的には陶磁器よりも高額です。漆器とは木地に漆を塗った、味噌汁などの器としてポピュラーなものですが、実は酒器として使っても味わいがあります。光沢のある表面とすべらかな形状は非常にモダンで魅力的です。木製なので軽くて扱い易く、木は熱伝導率が低いため、熱燗を入れて持っても熱くなく、そして冷めにくいという点でも優れています。このようにさまざまな材質のあるおちょこととっくりを、どのような観点で選んだら良いのでしょうか。ポイントをご紹介します。まずサイズですが、とっくりを原価と価格との関係で選ぶことが基本になります。一般的には、高級店ほど「1合」が本当の「1合」ではなく8尺程度になる小さなとっくりを用いていることが多いとされています。高級な雰囲気でがぶがぶ飲むような店舗でないからこそとも言え、一般の飲食店ではあまりおすすめできません。むしろ、「この店は正味1合入っている」ということがお客様に評価される場合もあるので、価格と原価と相談しながら、サイズを決めましょう。そしてとっくりの大きさが決まった段階で、その大きさとバランスの良いサイズのおちょこを選びましょう。8尺しか入らないとっくりに対して大ぶりのおちょこにすると、2~3杯注ぐと空になってしまい興が失せますから、その点を注意しましょう。基本的に「ガラス」で飲んだ時は味がシャープに感じられ、「陶器」で飲んだ場合は柔らかく感じる傾向があります。できれば日本酒の種類で酒器を分けるのが1番よいでしょう。端麗辛口の純米吟醸酒などの場合はガラスでもよいでしょうし、反対に米の味が濃厚な純米原酒などの場合は陶器がふさわしいです。形状も日本酒の味わいに大きな影響を与えます。1番大きく影響するのは口径です。口が小さいと端麗に感じ、口が広いと濃厚芳醇に感じます。これも上で挙げたような日本酒の味わいのタイプで選ぶとよいでしょう。以上を基本にしつつも、競合店に差をつけ、「あの店で飲む日本酒は美味いし、提供の仕方がしゃれている」とお客様に思わせたいのであれば、酒器にはさらにこだわってみるとよいでしょう。具体的には以下のような切り口があります。フルートグラスとは、シャンパンなどの発泡ワインを飲むときの、ガラスでできた口の細いワイングラスです。これで提供されると間違いなく、お客様の予見を裏切って良い意味で意外性を感じさせることができます。また、うま口の純米酒からフルーティな吟醸酒まで幅広く使えるので、思いのほか汎用性があります。何年か寝かして独特の味と香りがついた古酒などは、木の酒器で提供するのもよいでしょう。古酒の味わいが木の香りと相まって、味の深みが増します。そばちょこは磁器ですが、少し大ぶりなのと、白地に淡く青い柄をつけたいわゆる安南焼きが一般的です。そばちょこで飲むと、田舎の古い農家や合掌造りの家でお酒を楽しんでいるような、あるいは江戸時代にタイムスリップしたような風情を感じて、趣き深い飲酒シーンを提供してくれます。何より、高台も大きいので手で倒したりしない安定感もうれしい点です。錫(すず)でお酒を提供する飲食店は非常に本格派、専門店、という印象を与えます。よく日本酒のことが分かっているというイメージもあります。日本酒に力を入れるのであれば、少しコストはかかりますが、導入してもよいでしょう。とっくりのかわりに「片口(かたくち)」はいかがでしょうか。片口(かたくち)とは、広い口径の一方がややとがっていて注ぎ口のようになっている器です。酒器にも用いますし、普通に料理を盛る容器としても使います。片口(かたくち)は、口径が大きいのでお酒の香りを堪能でき、容量も大きいのでお酒をタップリ楽しむことができます。また一般のとっくりに比べてこの片口(かたくち)を使っている飲食店の方が専門性が高いような印象を与えます。いかがでしょうか?とっくりもおちょこも、1脚何千円もするような高額な酒器を使う必要はありません。リーズナブルな価格でも酒器には色々なこだわり方が可能なのです。そしてこだわればこだわるほど、日本酒の味わいに反映しますから、お客様から「あの店の日本酒は美味しい」と評価してもらえるでしょう。それと同時に、日本酒の専門店としても認識されるかもしれません。このような方法を用いて店舗の専門性を高めることが、集客アップにもつながるはずです。ぜひとっくりやおちょこにこだわって、日本酒を視覚と味覚で美味しく味わってもらいましょう。
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