申し訳 な さそう に 笑う


が襲撃されたと言う報せだった.

静華さんが、近所にある実家へ、所用で出かけた. 6    ――"恋愛は好きになったほうが負けである"    幼き頃、早坂湊はこのように母に教わった。   「好きになっちゃダメってこと?」 「ダメじゃないけど、あまり好ましくないわ」   純粋な眼差しを向ける愛息子に母は膝を折って説明を続ける。   「好かれるのはいいのよ。でも、好きになってしまったら、相手に従属的になってしまうわ。男児たるもの、常に主導権は握っておくものよ」 「そうなの?」 「そうなの」   頬横に指を立てながら語る母に、首を傾げる息子。 アーモンド型の大きな瞳が疑問、驚き、理解へと目まぐるしく変わる。母はそれを優しげな瞳で見守る――晴れた公園で語り合う親子は微笑ましいが、話の内容は案外生々しい。   「ふーん…そうなんだ。ねえ、母さん、好きってどんな気持ちなのかな…?」 「その人を見ると嬉しくて、心が惹かれることよ」 「ひかれる…」   遠くの方でボールを追いかける犬を見ながら、湊が呟く。それは自分の気持ちを探るようだった。  「胸がドキドキしちゃうってことよ、湊」  柔らかい金髪を優しく撫でながら、母は言葉を続けた。暖められた髪の上に日差しが天使の輪を作っている。純粋無垢な湊は本当の天使のように可愛らしい。   「ドキドキ………愛をみるとそうなるかも」 「まあ」   頬を赤くする湊に母は楽しそうにクスクス笑う。   「これってダメなことだよね…母さん」 「そうね…、別の意味でダメだけどダメじゃないわ。貴方たちに血の繋がりはないし」 「え」   母はサラリと爆弾を投下した。 面食らって目をパチクリさせる可愛い天使に、母は容赦ない追い打ちをかける。   「でもね、湊。貴方はお兄ちゃんなんだから、貴方から愛に告白してはダメよ?」 「ど…、どうして?」 「だって、いきなりハッピーエンドなんて面白くな…コホン!試練を乗り越えないと男として大きくなれないわ。小さい男にウチの愛はお嫁に出せません!」 「うぅ…」   大きな瞳を涙で潤ませる我が子を母は優しく撫で続ける。しかし、幼子を泣かせた犯人は目の前の母親である。   「でも、そうね……愛の方から貴方に告白したら、今すぐにでも結婚していいわ」 「ほんと!?」 「ええ、本当。約束よ」   絶望させてから打開策を提示する。瞳をキラキラさせる可愛い息子は母にまんまと騙される。二人の子を持つ母は   ――そして、母は息子の恋心を成長に大いに利用した。   「湊、服装は清潔感を心がけなさい。シャツにシワがあってはいけないわ。着替えたものはすぐに洗濯機へ、脱いだものは散らかさない。でないと愛に嫌われるわよ」 「はい!」  「湊、女性は仕事の出来る男性に惹かれます。もちろん、愛もね。何事も100%完璧になさい」 「はい!」  「湊、女性には3倍優しくを心がけ、マナーを守りなさい。愛はエスコートできる優しい男性が好きだと言ってましたよ」 「ハイ!」   こうして、根が純粋な湊は完璧執事へとまんまと成長した。    ****    ――"恋愛は告白した方が負けである"    幼き頃、早坂愛は母にそう教わった。   「…告白しちゃダメなの?」 「ええ、そうよ。ダメよ」   クールな眼差しを向ける愛娘に母は膝を折って説明を続ける。   「…なんで?」 「女から告白されたら、男は一生つけあがるわ。主人となる男の手綱はしっかりと握る、いい女はそうするものよ」 「ふぅん…、男のコってバカなんだ」   膝を折って言い聞かせる母に、興味なさげに視線を外す愛娘。娘は物事に懐疑的であり、湊のように素直に聞くタイプではない。おませさんなのである。   (ママったらイキナリどうしたんだろ……私は男のコなんて別に、ぜんぜんキョーミないけど)   視線の先の広場では男の子たちがサッカーボールを追いかけている。右へ左へ動くボールをなんとなく目で追う。落ち着きのないその姿はクールな娘らしくなく……  おませさんな娘が内心で興味津々なのは母にはバレていた。   「それにね、愛…。湊や男っていうのはね…」 「な、なに?」   『湊』の部分をやや強調して顔を寄せる母。思わせぶりな呟きに愛も流石に目を向ける――降り注ぐ日差しが母の頬に愛にはない大人の輪郭を作っている。   「男は手に入らないものこそ、追いかけたくなるものなのよ。 「ふ、ふぅーん。そうなの」   母の言葉にビクッと肩をすくめても、娘は興味のない素振りをやめない。愛が湊に興味も関心もあるのもバレバレだった。もちろん、その淡い気持ちについても。   「だからこそ、愛も簡単には靡かない女になるのよ。好きな男にホイホイ従うチョロい女になってはダメ」 「…私はそんなことないもん」 「あら、そうなの。流石は私のカワイイ娘ね!」 「ふん、私はバカな男のコを追いかけるんじゃなくて、追われるほう。だから、私から男のコに告白なんて絶対しない」   大好きな母の褒め言葉に気を良くした娘は力強く続ける。こうして、可愛い娘はまんまと母に騙された。   「ところで昔ね、タ●ゥーというガールズバンドがいたの。それを見たときにママは思ったわ。『外国人のギャルはカワイイ』って」 「い、いきなりなに…」 「白ギャルはビッチに見えるけど、ホントは清楚で奥ゆかしくて内面は純情で……これは素敵!って思ったの。だから、愛は日本に行ったらそんなギャルになってね」 「ニホン?」 「これから愛は日本で暮らす四宮かぐや様の侍女になるのよ。ママたちとは離れて暮らすことになるけど……ママの教えを忘れないでお仕事頑張ってね」 「えっ…!?」   サラリと別居を伝える母に娘の小さな頭は混乱を極めた。   その後、あれよあれよと言う間に飛行機に乗せられた愛は大好きな兄とママから離れて育つことになる。もちろん、立派な『白ギャル』へと成長した。     ――そんな男女が1つ屋根の下で暮らし、2週間が過ぎた。    「愛、醤油をとってくれるかな?」 「はい、兄さん」 「ありがとう」    ――その間、特に何も無かった!!!!!   (お風呂でバッタリハプニングがあるかと思って待ってたけど…兄さんに限ってあるわけないし…これじゃ『責任』って殺し文句が使えない…)  (愛も年頃だから悩みとかトラブルを抱えているかと思ったが…そんなことはないようだし…これでは男として良いところが…)  水入らずで朝食をとりながら、兄妹は水面下で悶々と思考する。邪なことを考えながらもテーブルマナーは完璧であった。  ちなみに食事は焼き魚、海苔、雑穀米、味噌汁という古き良き日本の朝食メニューに変わっている。『毎日これだと太る』という妹のリクエストに答えた結果である。   (ていうか、兄さんの好みってどういう……白ギャルって好きなの?そうならアレやコレや)  (というより、愛はどんな男が……ギャルっぽい愛もカワイイな…いかん、邪な考えが…)   朝からそんなことを思案している二人だが、   「…今日もいい天気ですね。兄さん(ニッコリ)」 「そうだね、最近晴れが続いてるね(ニッコリ)」   交わす会話はこんなもの。もはや近所のおじいちゃんおばあちゃんレベルの当たり障りのない会話である。   (( もっとちゃんと楽しくなる会話がしたい…!! ))   すればいいのである。   (( でも、もしも踏み込んだ話題を振ってしまって―― ))   湊の脳内で白ギャルの妹が   『お兄ぃって………やばみwww』   愛の脳内で黒執事の兄が   『おや、愛………いけない子ですね』   (( こんなこと言われたら、とても立ち直れないッ…!! ))   「お茶を入れるね、兄さん…あ!茶柱が立ったよ」 「おや、ラッキーだね」   当たり障りのない会話のもと、二人は順調にフラストレーションを溜めていた。    7    「単刀直入に言う。白銀、力になってほしい」 「はい?」  生徒会へ向かおうとしていた白銀御幸は担任教師に呼び止められた。アイスブルーの真剣な眼差しが真っ直ぐに向けられている。   「湊先生…、急にどうしたんですか?」 「君に相談にのって欲しいことがあるんだ」   廊下で向き合いながら、湊は真剣な言葉を続ける。周りもざわつき、白銀も突然のことに動揺するが、湊の見せる真剣な表情に意識を引っ張られていた。   「女子との会話が特別上手い君に、会話をレクチャーしてほしいんだ!」 「ちょっ…!」   突拍子もない言葉を受け、咄嗟に空き教室へ引っ張り込む。   「なんですかイキナリ! めちゃめちゃ女子にガン見されましたよ!」 「す、すまない…」   白銀のツッコミに湊は力なく肩を落とす。申し訳さそうに目を伏せる湊にいつもの雰囲気はない、まるで捨てられた子犬のようだ。普段の凛とした振る舞いとのギャップに白銀は純粋に驚いた。   「それで先生、一体どうしたんですか? なぜ俺に…その、相談を?」 「実は今、妹と暮らしているんだが…、なかなか思うように会話ができなくて…」 「なるほど…、先生は四宮のクラスの早坂さんの…」 「白銀には妹さんが居るようだし、円満な関係を築いていると聞いて…それでな」 「ま、まぁ最近はそうでもない気がしますが…」   ポツリポツリと打ち明ける湊に白銀は相槌を打って答えた。大人であり、出来た教師だと思った湊が打ち明ける話は同年代が抱く悩みに近いものがあり、親しみが湧く。   「悩みについては理解しました。それならいい案があります」 「流石は妹百戦錬磨の白銀だ!」 「妹百戦錬磨ってなんですか! とにかく、話は簡単です。」   コホン、と一旦呼吸を置きながら白銀は続ける。自信有り気な姿に期待を向ける湊。   「話がダメならスキンシップです!こう、身体で――」 「あ、それダメなやつです会長」   自信満々の言葉を石上が打ち砕いた。いつの間に現れたのか、隅に置かれた机の影からぬっと頭だけを出している。   「い、石上!? いつの間に!?」 「最初から居ましたよ。ここは伊井野に見つからない穴場なんですよ」   ゲーム機を両手に持ったまま白銀&湊の元へ近づく石上優。教師がいてもゲームは止めない、目線も合わせない、それが石上クオリティである。   「話は聞かせて貰いました。とにかく女子に過度な接触はダメです。」 「いや、しかし石上…妹だぞ? 無関係の女子ならともかく…」 「女子からの接触はいいですが、我々からはダメです。セクハラです」 「家族でもか?」 「家族だからこそ余計にですよ、会長。」 「うーむ…」 「子どもの頃ならまだしも、今はダメです。会長が『キモい』だの『ウザい』だの超めんどくさい事をネチネチ言われたいなら別ですが」 「そ、そこまでか…?」   首をひねる白銀だったが、湊は逆に感心していた。 石上優の言葉には説得力があり、自身の経験ゆえの言葉だと理解できたのだ。そしてその理解は100%正しい。   「会話の上での悩みなら、あくまでも会話で解決すべき…ということかな?」 「ええ、そうです。スキンシップもコミュニケーションの1つですが、ここはそれ以外でいくべきです。」 「なるほど…勉強になるよ。ありがとう」   湊の言葉に石上は深く頷いてみせる。二人は初めて顔を合わせたのだが、早くも友情を築きつつあった。石上優は相手がイケメン教師でも弱者に対しては比較的大らかなのである。   「とにかく、湊先生は妹さんにもっと話を振ってみるのはどうですか?同じ学園なんですし、クラスメイトの話や噂話など話題はたくさんあると思いますよ」 「クラスの話か! それは盲点だった!」 「………。なんなら藤原さんとか話題提供マシーンですよ、藤原さんの話だけでお腹いっぱいになれます」 「なるほど! いや、しかし…前に藤原の話をした時やたら不機嫌になったんだよな…」 「…藤原さんが何かやらかしてるパターンですか、相変わらず困った人ですね…――ではウチの伊井野なんてどうですか?」 「伊井野? ああ、生徒会の…」 「しかし石上、先生も早坂さんも伊井野とは面識がないぞ」 「いえ、話の話題としてではなく、練習台としてです。」   ニヤリと笑う石上に二人は首を傾げる。長い前髪で隠れた半笑いは不気味だった。   「練習台として関係のない生徒を利用するのは気が引けるな」 「俺もそういうのは良くないと思うが…」   難色を示す二人に石上は不気味な笑みを崩さない。想定の範囲内のリアクションに可笑しくすらある。   「大丈夫です、ご心配なく。あくまでも伊井野と会話をするだけです――それに、アイツにとっても役に立ちます。」 「どういうことだ?」   石上は待ってました、といった具合に答えた。   「伊井野は風紀委員で固い上に、曲がったことは許せないあの性格――ぶっちゃけ、友達がいません。なので男との自然なコミュニケーションに慣れてないんですよ」   石上は自分のことを棚に上げて得々と語った。 ブーメラン発言なばかりかこの場に件の少女が居たなら戦争不可避は確実である。   「そこでお二人との会話で伊井野もスキルを上げて、性格が丸くなれば友達もできます――いわばコレは『人助け』です。」 「なるほどな。そういうことか――って俺もやるのか!?」 「そりゃそうですよ、先生だけだと伊井野のスキルも上がりません。同年代の会長も居ないと」 「俺は伊井野とは普通に…いや、そうでもないか…色々誤解を受けたしな」 「アイツは思い込みが激しいんです。このままいけばホストに100%騙されて犯罪の片棒を担ぐことになります。」 「そこまでか…」 「それに伊井野ほどこっちの話を聞かない女はいませんから…あの正義モンスターと話が続けば妹との会話なんてイージーモードですよ」 「オーケー石上、ストップ」   ペラペラと毒を吐く石上に白銀は待ったをかける。伊井野と石上は『当人に悟られずに陰ながら支え合う』という中々にこじらせた仲なのである。   「ただし、普通に話をするだけだとそれほど難度も高くないと思うので、伊井野に女としてキュンとくる会話をしてやってください」 「伊井野にか…それは難しいな…」 「女性としてキュン?とくる…うーむ…手紙かな」   腕を組んで考え込む二人だったが、石上の真の狙いには気づかない。石上は二人が伊井野ミコにしたやりとりを参考に、子安つばめ先輩と良い仲になるつもりなのだ。   「もしも失敗してしまったら…?」 「問題ありませんよ。伊井野のボディの固さは僕がよく知ってますから」 (なんかセクハラっぽいな…) (藤原さんが言ってたのはこういうところかな)   というワケで白銀と湊の両人は石上の提案に乗ることになった。  ちなみに教室から出てきた三人(主に石上)を見て、BLを期待していた女子達に舌打ちを受けたのは余談である。石上は知らない所でまた女子の人気を下げた。    8    「この…っ! 変態っ!」 「待て伊井野! 誤解だ!」    後輩に鬼の形相を向けられる白銀――彼は決してモテないわけではない。どちらかというとモテる方である。  多くの熱烈なアプローチを受けたこともあるし、「〇〇が白銀のこと好きらしいぜ」という噂も数多く耳にする。四宮かぐやと歩けば「お似合い」だと囁かれもした。  ただ、彼を好む女性は所謂  ゆえに、白銀は恋愛経験がなく――無垢な貞操と己の自信を肥大化させてしまったモンスター童貞なのである。   「触ってはないだろ! 嗅いだだけだ!それに褒めたぞ!?」 「ッ! どこまで上から目線なんですか!」   ――一方で、湊もある意味でモンスター童貞であった。   幼き頃から四宮財閥の従者として昼夜に渡り働き続けた早坂湊。その多忙さは筆舌に尽くしがたいものである。  日々ダーティーな仕事をこなし、恋愛経験も恋愛に関する知識を得ること無く、紳士的マナーと心配りだけを完璧に身に着けていた。  背も高く容姿の面も優れている湊は数多くの美女からアプローチがあったが、その全てに気づかなかった。  彼が鈍感なのではない、知識も経験もないゆえに女性からのお誘いに  かぐや級の財閥令嬢たちのアプローチはどれも控えめで、遠回し過ぎたのが災いしたとも言えるが――彼に華麗にスルーされ、枕を濡らした美女は数え切れない程である。   そんな白星も黒星もない二人は、問題の違いはあれど大きな歪みを抱えていたのである。   このモンスターたちを野放しにして、井伊野ミコが無事でいるはずがなかった――。    「ご、誤解だ!! ただ俺は伊井野が美しい、芳しい香りだから嗅ぎたいと」 「こ…このくずめ…!」   思いっきり軽蔑の目を向けたのち、伊井野は足早に去っていった。遠い目をしながら女性特有の香りについて熱弁を奮った白銀はこの日『触らないチカン』について学んだ。   「全く、あの人は私をなんだと――こ、これは…!」   白い封筒の手紙。 憤慨しつつ教室に戻れば、机には見覚えのある手紙が載っていた。   「もしかして、あの時の…」   中等部の時、校則に厳しすぎる伊井野ミコは周りに疎まれ孤独だった。 誰一人味方の居ない中で、たった一人の応援は手紙として彼女に届けられた。  『 君の努力はいつか報われる 』  その言葉と共にあったステラは今も大切な宝物である。以来、『手紙』は伊井野ミコにとって感情が緩むツボだった。   「…。――…! ……!!?? ――っ!!」   一心不乱に手紙を読んだ後、伊井野は入学以来初めて校則を破った。廊下を全力で走り、目的の教室へ向かう。困惑、動揺、驚愕、激情の中ではすれ違う同級生たちに怪訝な目を向けられても気にならなかった。   「やあ、待っていたよ」 「せ、先生…!」   到着した空き教室には早坂湊が一人でいた。茜色に透ける夕焼けを背負って佇んでいる。   「手紙は読んでもらえたようだね」 「…っ!」   伊井野の杏型の瞳が強く、咎めるように湊の瞳を捉えた。  手紙に書かれていたのは伊井野に対する応援と励まし、『風紀を乱す生徒を教師に変わって正している貴方を尊敬する』――初め受け取った感謝の気持ち。それに   「よかったら返事を聞かせてくれないかな?」 「でも、私……は、」   『君を慕っている』と男女の慕情が詠われていた。 まさか、と初めてのことに動揺を隠せない。教師と生徒の恋愛など本やドラマで見たことはあっても自分が経験するとは思っても見なかった。  それに現役教師とその生徒では交際が許されるはずがない。ふしだらで不純な関係は伊井野が最も嫌うものである。   「いつも一番頑張っているキミを間近で見たいと思ってる」 「…」 「僕がキミを支えたいんだ」 「…」 「許されないのは分かってる。ただ、気持ちを知っておいて欲しかったんだ。誠実なキミにだけは…」 「…っ!?!?」  真っ赤になって俯く伊井野に、愛の囁きが次々と襲いかかる。どこかで聴いたようなシチュエーションセリフに伊井野の思考はあっという間に危険域へ突入した。  伊井野ミコにとって恋愛など別天地の出来事、金髪イケメン教師に優しく囁かれるなど未知との遭遇、驚天動地の大事件である。もはや抵抗など出来るはずもなかった。   「ど、どうして…わ、私なんですか…?」 「キミが、伊井野ミコだから」 「っ!?!?!?」  トドメのストレート。 目の前に真っ赤な霧がかかったようで、興奮しすぎてクラクラと目眩もする――なるようになれ、と思う他はない。伊井野のメンタルは基本的に雑魚なのだ。   「わ、私でよかったら…その、お友達からですけど…お、お受けします」 「ありがとう」   こうして、伊井野ミコは初めて『友達以上恋人未満』の関係を結んだ。  余談ではあるが、伊井野ミコにとって最高に癒やされるヒーリングミュージックは『イケメンが励ますCD』である。湊によって囁かれる現状の再現度はかなり高かった。  更に湊が言った言葉は偽りのない真実だが、全ての発言に『教師として』との注釈がつく。石上の話を聞いて湊は純粋に心配しただけなのである。伊井野が想像するような背徳的でふしだらで不純な意図はなかった。    こうして、伊井野と湊の微妙にズレた友達関係が始まった。    【本日の勝敗結果】 伊井野ミコの敗北(心に闇があった為) 僅か10 笑うこと① | 日ごとの試み . 和葉ちゃんと、静華さんが静養していた京都の家. 韓国語の勉強を始めてから、10月で4年と1ヶ月経ちました。 もう4年経ったなんて! 3年 ヵ月というとまだまだそんなに時間が経っていない感じがするけど、4年というと随分長く勉強してるような貫禄が出 … 新型コロナウイルスに関する情報について ... 申し訳さそうな顔をするな!」 ってきつく言われてビックリした。 全然違う解釈をされて悲しくなった。 申し訳ないという気持ちは.

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