玉ねぎの旬と産地、 選び方と保存方法、料理のポイントと栄養価、種類<と特徴などを紹介します。普通の玉ねぎに関しては全国で栽培され、保存性も高いので旬は特に無く、通年いい状態で手に入ります。しかし、新たまねぎに関しては春しか手に入りません。 黄玉ねぎと白玉ねぎのことを新玉ねぎっていうの? 黄玉ねぎと赤玉ねぎ、白玉ねぎ、小玉ねぎの違いは品種の違いで、皮の色や大きさなどが異なっています。 新玉ねぎは、黄玉ねぎの場合もありますが、多くは白玉ねぎの一種で、 水分が多く乾燥処理に向かない ため収穫後すぐに出荷されます。 旬の食材のことがわかります!玉ねぎは、ねぎと同じユリ科の仲間です。日本には明治時代に導入されたのですが、今や完全に土着して、日本列島いたるところに玉ねぎ畑が見られます。日本はアメリカに告ぐ世界第2の玉ねぎ生産国となっています。国内での収穫量は、大根、キャベツに次いで第3位です。独特の辛みや甘みがあり、あらゆる料理に利用されます。旨み成分も多くて西洋料理のベースにも利用され、「西洋のかつおぶし」と呼ばれています。特有の臭いは硫化アリルなどのイオウ化合物の臭いで、玉ねぎを切ると涙がでてくるのもこの成分のためです。この成分、栄養面では優れた特質があります。品種や収穫時期によって旬が異なり、全国で栽培されていて、輸入ものも多いので1年中出回っています。大きく分けて、秋に種を播(ま)き翌年の初夏に収穫するものと、春に種を播(ま)き秋以降に収穫するものがあります。秋播きのもののうち、新玉ねぎと呼ばれるやわらかな早取りのものは3~4月頃に出荷され、この時期が一つの旬といえます。秋播きの普通に収穫されるものは、5~9月頃にかけて収穫されます。よく乾燥させて出荷されるので市場には1ヶ月ほど遅れて出てきます。主な産地は佐賀、兵庫、愛知、香川などです。春播きのものは9割が北海道産です。9~翌4月にかけて出荷されます。品種によって出る時期が異なり、9~10月に出るものは、柔らかく甘みがありますが、貯蔵性があまりよくないので年内に使いきります。年末から翌2月頃に収穫されるものは貯蔵性が良く、収穫直後は固くて甘みもあまりないのですが、低温貯蔵しているうちに炭水化物が分解し、甘みが増してくるので2~4月頃が食べごろになります。輸入品も多いので、年中店先には山のように積まれています。輸入先はアメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、台湾、フィリピンで、輸入は1~4月頃がピークです。玉ねぎは、その皮の色から大ざっぱに、黄玉ねぎ、白玉ねぎ、赤玉ねぎの三種に分けられます。最近はサラダ用として赤玉ねぎが人気です。また、丸のまま使える小玉ねぎも需要が伸びています。最もポピュラーな玉ねぎで、通常、玉ねぎと呼ばれるのはこの種類です。黄銅色の薄皮をむくと中は白色です。球のしまりがよく、貯蔵に向き、辛みが強いのが特徴です。形は球形のものと扁平のものがありますが、現在は球形が主流になっています。春先に出まわる新玉ねぎ以外は、日もちをよくするために収穫後1ヶ月間風干しして、皮を乾かしてから出荷されます。イエローグローブダンバース系の札幌黄(さっぽろき)や泉州黄(せんしゅうき)からの改良種が全国各地で栽培されています。現在の一大産地は北海道で、全国の生産量の50%以上を占めます。品質は全国的にほぼ均一ですが、北海道産のものは比較的辛みが強くなります。泉州黄に代表される秋まき初夏どりの品種群と、札幌黄に代表される春まき秋どりの品種群があり、貯蔵性が高いことから、一年中店頭に出まわります。やや扁平で、外皮は白く、中も透明な白色をしています。水分が多くて甘みがあり、辛みや刺激臭が弱くておいしいので生食に向いています。このことからサラダ玉ねぎという名で売られることもあります。春先のわずかな期間にのみ店先に並ぶので、春の風物詩の一つになっていますが、日もちが悪いので最近ではあまり栽培されていません。愛知白という品種が知られています。黄玉ねぎや白玉ねぎを春に早取りし、すぐに出荷されたものです。普通は茎が枯れて倒れてから出荷されますが、新玉ねぎは茎がまだ青い状態で切って出荷されます。皮は薄く、扁平で、水分が多くてやわらかく、辛みが少ないことが特徴ですが、腐りやすいく、またすぐに風味が落ちてしまい、常温で1週間ほどおくと普通の玉ねぎの味わいになってしまいます。2~3日ならポリ袋に入れて冷蔵庫で保存できます。新鮮なものがサラダなどの生食に向きます。主に静岡、佐賀、兵庫などから出荷されます。(別名)紫玉ねぎ、レッドオニオン(別名)ペコロス、プチオニオンパールオニオンは真珠のような光沢をもつ皮に包まれた小さな白玉ねぎ、ルビーオニオンはやはり光沢のある美しい小さな赤玉ねぎで、細かくきざんでいためものなどの香りづけに使います。大きさは収穫時期や栽培方法の違いから、1~2cmほどのものからピンポン玉大のものまであります。国産とアメリカからの輸入品とがあります。茎付きで出荷される小さな白玉ねぎです。根だけでなく茎も一緒にきざんで炒めものの香りづけに使います。根が大きく育つ前に葉つきのまま収穫したもので、春先の短い期間だけ出まわります。葉の部分は香りがよくやわらかで、ビタミンが多く含まれます。葉の部分をぬたやみそ汁の具など、長ねぎと同じように使ったり、葉を若い根とともに切って煮ものや炒めものなどにしたりできます。千葉県や九州地方で栽培されています。フランス名はエシャロットといいますが、日本でエシャロットの名で売られているものは若どりのらっきょうのことで、味も香りも違う別種です。長さ3cmほどで皮の色は茶褐色、玉ねぎを小さく、やや細くした形ですが、中は数個の球に分かれています。小粒ながら玉ねぎよりも辛みは強く、香味野菜として、スープや煮もの、ソースなどに使います。フランス料理やイタリア料理には欠かせません。体内でビタミンB1の合成を助けるスタミナ食です。玉ねぎは頭の部分から傷んできます。頭をさわってみて肉質がしっかりとしているものがよいでしょう。押してやわらかいものは中が腐っていたり傷がある可能性があります首の部分は、乾いていて細くしまりのあるものがよいでしょう。芽や根の出たものは、水分や栄養分が少なくなってしまって味も落ちます。外皮がよく乾燥していてツヤがあり、かたく締まっていて重みがあるものがよいでしょう。皮が浮きあがっている感じのものは、皮の下にカビが生えている恐れがあります。黄玉ねぎは、表面にキズがなく外皮がパリっと乾燥し透き通るような茶色をしているものが良質です。赤玉ねぎや白玉ねぎを選ぶ時は皮の美しさを一番に見極めましょう。赤玉ねぎなら赤紫がくっきりと鮮明なもの、白玉ねぎもできるだけ白いものを選びましょう。白玉ねぎの緑がかったものは繊維がかたいので避けてください。サラダ、炒めもの、煮もの、揚げものなど、幅広い料理に活用できます。料理の素材ばかりでなく、肉や野菜の臭み抜きや下味付けにも良く使われます。そのまま食べると辛いですが、急激に加熱すると甘みが強くなります。これは、玉ねぎの揮発性のある辛み成分が、熱を加えることで甘み成分に変化するためです。つまりカレーやシチューなどで玉ねぎの甘みを利用したときには煮る前に炒めておくとより甘くなります。逆にピリッとした適度な辛さが欲しい時には、サッと湯通しする程度に下処理します。抗血栓効果など、玉ねぎの有効成分を意識するなら生食が一番効果的です。加熱する場合には、きざんだ後で1時間ほど放置してから調理するようにすると、有効成分の損失を防げます。葉玉ねぎは葉の部分も利用できます。葉を薬味など、長ねぎと同じように使用するほか、葉付きのまま酢みそかマヨネーズでお酒のおつまみなどにするとおいしいです。ペコロスは皮をむいて丸のまま使用します。サラダをはじめ、甘酢や酒粕に漬けたり、シチューなどの煮込み料理などに向いています。涙を出させる原因は、玉ねぎに含まれる硫化アリルなどの揮発成分が空気中に放出されるためで、要は揮発成分を発散させなければよいのです。下にいくつかの方法を挙げておきます。組み合わせたりして試してみてください。玉ねぎのみじん切りは炒めるとよく焦がしてしまいます。そこで焦げさせずに簡単に炒める裏ワザですが、みじん切りにした玉ねぎを耐熱容器に入れ、上からバターをひとかけ落として、ラップをせずに電子レンジで3~5分間加熱します。終わったら取り出してすぐにかき混ぜればできあがりです。辛み成分は水溶性なので、刻んでから水にさらすとやわらぎます。さらしすぎると旨みと一緒に栄養分も流れてしまうので注意してください。さらす時間はは2~3分程度に留めます。輪切りサラダ用の薄い輪切りくし形切り繊維に直角に薄切り繊維にそった薄切り角切りみじん切り黄玉ねぎは保存の仕方により1~2ヶ月もちますが、水分の多い新玉ねぎや赤玉ねぎは風味が落ちやすく保存もききません。冷蔵庫で保存し、2~3日以内に食べきるようにします。風通しの良いことが一番のポイントです。蒸れや湿気は大敵です。湿気の多いところにおいておくと根が出てきて味が落ちます。常温で、直射日光を避け、暗いところで保存します。玉ねぎは15℃以下の低温になると発芽してしまい、やはり味が悪くなります。軒先などの風の良く通る冷暗所に、みかんを入れるネットやストッキングを使って吊るしておくのが一番良い方法です。1個ずつ境めに結びめを作っておくと湿気がこもらないのでよいでしょう。かごなどに入れるときは、一つずつ新聞紙に包むと湿気の予防になります。冷蔵庫の野菜室は、湿度が90%前後もあり、黄玉ねぎの保存には最も不適切です。りんごやキウイなどと一緒にすると、それらが出すエチレンガスによって成長が早まり、味が落ちます。腐ったものは早めに取り除かないと、次々に腐敗が伝わるので注意します。使いかけのものは切り口が乾かないようにラップをして冷蔵庫に入れ、早く使いきります。使用頻度の高い炒め玉ねぎは、時間のあるときにまとめて作っておくと何かと便利です。玉ねぎは野菜の中で最も糖質が多く、果糖、ブドウ糖、ショ糖がほぼ同量ずつ含まれます。糖類はほとんどがエネルギー源として消費されます。カリウム、亜鉛、リン、ビタミンB1、B2、Cなどを含みますが、栄養素として期待できるほどではありません。特筆すべき成分は、玉ねぎの刺激成分である硫化アリルなどのイオウ化合物です。硫化アリルは非常に揮発性の高い成分で、玉ねぎを切った時に涙がでるのはこの成分が原因です。硫化アリルは加熱すると非常に糖度の高いプロピルメルカプタンという物質に変化します。玉ねぎを加熱すると甘くなるのはこのためです。硫化アリルは動脈硬化の原因となる血栓やコレステロールの代謝を促進し、血栓ができにくくする作用があります。最近よく言われる「血液がさらさらに」というのはこの効果です。この作用で、高血圧、糖尿病、動脈硬化、脳血栓、脳梗塞などの予防に効果があります。硫化アリルはビタミンB1と結合してアリチアミンとなることで体内にビタミンB1を長く留め、ビタミンB1の吸収を促進するはたらきがあります。ビタミンB1は、糖質を素早くエネルギーに変える栄養素で、不足すると、疲労、食欲不信、不眠、イライラなどの症状がおこります。ビタミンB1を多く含む食品は、豚肉やハム、かつお、大豆などなので、これらと一緒に料理すると上記症状の予防に効果大です。硫化アリルは、胃の消化液の分泌を高め、胃のはたらきを改善し、食欲を増進させる作用があります。硫化アリルは、アミンという肉や魚の生臭みの成分と反応し、生臭みを緩和します。また、「西洋のかつお節」と呼ばれるほど、旨み成分であるグルタミンが多く含まれ、肉や魚料理をおいしくしてくれます。硫化アリルには強い殺菌力があります。辛みの強い玉ねぎほど傷みにくく、病害虫に強いのはこのためです。硫化アリルは、加熱により消失しますので、上記の効果を期待する場合には、生食するのが一番良い方法です。ただし、これらの化合物は、玉ねぎ内に含まれる酵素の作用により、熱に強い成分に変質します。玉ねぎを炒めるなど、火を通す調理に使う場合は、切ったあと1時間ほど放置したあとで火にかけると良いでしょう。硫化アリルは水溶性ですので、水にさらすと大半が流れ出てしまいます。辛みは酢を使ってやわらげるといいでしょう。玉ねぎにはケルセチンというポリフェノール成分が含まれています。ケルセチンは、特に外皮に多く含まれています。ケルセチンには抗酸化作用があり、がんや老化などの活性酸素が引き起こす病害の予防になります。また、ケルセチンには体内に摂取した脂肪の吸収を抑制するはたらきがあり、ダイエットにも有効です。玉ねぎには発汗作用や解熱作用があり、玉ねぎをたっぷりと使ったスープや味噌汁を飲んで布団に入ると、汗がドンドン出て熱が下がります。また、咳(せき)や痰(たん)をしずめる効果があると言われ、玉ねぎの絞り汁を5~6倍にお湯で薄めてうがいをすると症状が緩和されます玉ねぎの皮を煎じて飲むと、高血圧によく効き、また毛細血管を丈夫にします。飲みつづけると1週間ぐらいで効果があらわれます。玉ねぎの揮発成分は神経を安定させるのに役立ちます。よくきざんだ生玉ねぎをガーゼに包んで枕もとに置いて寝ると安眠に効果があります。その他、生玉ねぎを食べると利尿、便秘、虫下しに効果があると言われています。原産地は中央アジアから地中海沿岸に至るあたりとされています。栽培の歴史は古く、古代エジプトやメソポタミア文明の昔から始まっていたといわれています。エジプトのピラミッド建設に従事した労働者の給料は玉ねぎで支払われたという説もあり、人夫たちが腰に玉ねぎやニンニクをぶら下げている姿が壁画に描かれています。重労働に耐えるための強壮剤として用いられました。エジプトからヨーロッパ各地に早くから伝わり、肉や魚料理に合うために16世紀頃には広く普及しました。日本には1770年代に南蛮船によって長崎に持ち込まれましたが、すぐには普及しませんでした。日本ではねぎが普及していて玉ねぎの入りこむ余地がなかったからです。本格的に栽培されたのは明治時代からです。明治始めに導入された数多くの西洋野菜の中で最も早く定着しました。アメリカから導入された種子が北海道の札幌農学校で栽培に成功して札幌黄が生まれ、ついで大阪の泉州で泉州黄が作られたのを機に全国で広く栽培されるようになりました。第二次世界大戦以降は急速に消費量が伸びました。英語の[onion]は、ラテン語で真珠を意味する[unio]に由来します。玉ねぎの薬効が広く認められていて、真珠のように神秘的なパワーを持つと信じられていたためだと言われています。玉ねぎは茎や根の部分を食べていると思っている人が多いのですが、実は葉の部分を食べているのです。葉の下の部分が成長と共に厚みを増し、重なり合って球形になったものです。この部分は、1枚ずつはがすと魚の鱗(うろこ)のようになるので、鱗葉(りんよう)と呼ばれています。明治時代、日本で玉ねぎが導入された頃は、なかなか一般には普及しませんでした。ところが明治初期に関西地方にコレラが発生し、玉ねぎはコレラに効き目がある、と言う噂が広がり、言わばその薬効が買われて爆発的に売れたのが普及のきっかけになったのです。犬や猫などほとんどの動物は、玉ねぎが体内に入ると、その成分のイオウ化合物が中毒を引き起こし、血液中の赤血球が破壊されます。そのため溶血性貧血となり、ひどいときは死んでしまうことも。愛犬や愛猫には絶対に食べさせないように。じゃがいもとは違い、玉ねぎは芽も食用になります。芽がでてしまったら、芽の下1cmのところを切って小鉢などに水を張った上にのせてみましょう。どんどん芽がのびて緑色になったら食べごろです。味噌汁やそばなどにちょっとした薬味として使えますので試してみてください。
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