世界の森は消滅し、再生には1000万年もかかった。また、5回の大量絶滅のなかで唯一、多数の昆虫が絶滅している。海洋生態系の回復には400万~800万年を要した。 大絶滅の最大の原因は、シベリア・トラップという巨大火山の噴火だった。 シベリア・トラップはウラルから東シベリア高原まで広がっており、その発生は大量絶滅の時期とほぼ一致するため、この2つの事項は関連づけて取り上げられることが多い。 白亜紀最後の日、直径約12キロメートルの巨大隕石がメキシコのユカタン半島付近に衝突し、地球の生命の歴史を変えた。 それから6600万年後の現在、科学者たちがスーパーコンピューターを使い、何通りものシナリオにしたがって当時の世界を再現。鳥をのぞく恐竜を絶滅させた本当の原因、劇的な環境の変化に地球上の生命がいかに対応したかについて、最新の研究成果を6月29日付の学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表した。 巨大隕石は、直径200キロ近いクレーターを作り、莫大な量のガスや煤、灰を大気中にまき散らした。空は闇に覆われ、巨大な津波が海を引き裂き、火の手が上がって周囲を焼き尽くした。数年後には気温が30℃以上も下がり、長く寒い「衝突の冬」が訪れた。これにより、地球上の生命の4分の3以上が死滅したと考えられている。「ダンテの『地獄篇』が地球に起きたようなものです」と、今回の研究を率いた英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究員アルフィオ・アレッサンドロ・キアレンツァ氏は話す。 チクシュルーブ衝突と呼ばれるこの巨大隕石衝突と同じころ、現在の南インドにあたる場所では、大規模火山群が噴火していた。デカン・トラップと呼ばれるこの火山群は、80万立方キロメートル以上の溶岩と大量の温室効果ガスを排出した。そのため、大量絶滅の原因は隕石衝突か火山噴火かという議論を、科学者は長らく続けてきた。隕石衝突説が多数派だったが、火山噴火がどれほど影響したかはよくわかっていなかった。 キアレンツァ氏らは今回の研究で、さまざまな大量絶滅シナリオを仮定、気候条件を調整しながら古代の地球の気候を再現。そこから、鳥類以外の恐竜が暮らせない地球になったのは、隕石衝突のみが原因であると結論付けた。デカン・トラップの火山群は、地球を生命に適さない場所にするよりもむしろ、暮らしやすい場所にしていたという。「この研究は、デカン・トラップが大量絶滅をもたらしたという説を葬るのではないかと思います」と、英ロンドン自然史博物館の古生物学者アンジャリ・ゴスワミ氏は語る。氏は今回の研究に関わっていない。 現代の科学者たちは、白亜紀末の大量絶滅を解き明かすことで、短期間で過酷な環境に追い込まれた生物はいかに対応するのかを突き止めたいと考えている。「足もとを突然すくわれたとき、生物はどうするのでしょうか。それを解くヒントを得ることができるのです」と、米エール大学の古生物学者で、恐竜の絶滅に詳しいピンチェリ・ハル氏は語る。 しかし、絶滅の原因について科学者の意見が一致しなければ、大量絶滅を本当に理解したとは言えない。次ページ:史上最大の大量絶滅は火山が原因だった ここ10年間の研究から、デカン・トラップが70万年ほどの間に複数回にわたって噴火を起こしたことが明らかになっている。問題は、それが大量絶滅にどう関与したかだ。 地球の歴史上、特に規模が大きな大量絶滅は5回起きている。そのうち2回は、火山活動で排出された二酸化炭素による極度の温暖化が原因だ。史上最大の大量絶滅である2億5200万年前のペルム紀・三畳紀大量絶滅もそのひとつで、現在のシベリアにあたる場所で火山が噴火し、海洋生物の96%と地上の生物種のおよそ4分の3が死滅した。 デカン・トラップは6600万年前の生命に、大きく2通りの影響を与えた可能性がある。1つは短期的に、火山が排出する二酸化硫黄が気温を下げ、酸性雨を降らせ、海や広範な化学サイクルに乱れが生じた可能性。もう1つは長期的に、火山が出す大量のCO2が温暖化をもたらし、世界の生態系を消耗させた可能性だ。 2019年に発表された論文に、デカン・トラップ最大の噴火の年代を特定しようとしたものが2つある。その結果には、数万年のずれがあった。1つは隕石衝突の前、すなわち絶滅に影響した可能性があるとするもの。もう1つは衝突の少し後、すなわち絶滅には関係しなかったとするものだ。 大量絶滅を再現するため、キアレンツァ氏と英ブリストル大学の気候学者であるアレクサンダー・ファンズワース氏は6600万年前の地球の気候モデルを作成。隕石の衝突、デカン・トラップの噴火、この2つを組み合わせたものなど、14種類のシナリオについてシミュレーションを実行した。CO2濃度は560ppmから現在の約4倍に当たる1680ppmまでを想定、太陽光は衝突後に粉塵で遮断されて5%から20%暗くなったと仮定した。 一部のシナリオでは、1991年のピナツボ火山噴火の100倍の灰とエアロゾルが排出されたと仮定し、チクシュルーブ衝突による短期的な寒冷化もシミュレーションした。恐竜が受けた影響を追跡するため、当時の気候データと恐竜化石の発見場所データを基に、当時の恐竜生息地もマッピングした。 その結果、すべてのモデルが、デカン・トラップは恐竜の絶滅に影響していないことを示した。火山による長期的な温暖化は、恐竜を絶滅させてはいなかったことになる。デカン・トラップの影響で極端に日光が遮られたとするシナリオでも、恐竜の生態系が全滅することはなかった。次ページ:隕石衝突のシナリオは恐ろしいものだった 一方、隕石衝突のシナリオは恐ろしいものだった。一部の場所では、陸地の平均気温が20℃以上から氷点下を大きく下回るまで下がり、降水量も85%から95%少なくなった。チクシュルーブ衝突によって日光は15%以上遮られ、鳥類以外の恐竜が生息できる場所はなくなった。 このデータを見たゴスワミ氏は、次のように話している。「絶滅するものがいて当然です。というより、すべてが絶滅しなかったことのほうが驚きです」 研究チームのモデルからは、意外な事実も明らかになった。実は、デカン・トラップは生命の回復に貢献していた可能性がある。火山のCO2排出によって、冬の厳しさが和らいだというのだ。「大どんでん返しです」とハル氏は言う。「火山のおかげで衝突の影響が軽減されたなんて考えた人はいないでしょう。本当に思ってもみませんでした」 最近の研究から、デカン・トラップは突発的に噴火して世界の生態系に大打撃を与えたというよりも、数十万年にわたって少しずつ噴火が続いた可能性が高いことがわかっている。2019年11月、ハル氏が率いるグループは、チクシュルーブ後の数万年で地球の海が急速に酸性化したことを発見した。これは衝突後の酸性雨の影響である可能性が高い。しかし、衝突前の10万年ほどは、たとえデカン・トラップがすでに噴火していたとしても、海のpHレベルは安定していたという。 ハル氏はその後の研究で、世界の気温が隕石衝突前の30万年ほどの間に徐々に上がった後、2℃ほど下がったことを明らかにしている。これはCO2濃度が増減したことを示しているが、恐竜の生存を脅かすほど極端なものではない。 さらに、火山が活動していたインドからかなり離れたところでも、デカン・トラップが生命の回復を促したことを示す手がかりが見つかっている。2019年10月、米デンバー自然科学博物館の古生物学者タイラー・ライソン氏らが、隕石衝突後の北米の動植物相を記録した場所がロッキー山脈に複数あることを発見した。 ライソン氏のチームが突き止めたのは、衝突後の10万年間、生態系の生物種が少なかったにもかかわらず、その後は穏やかに温暖化が進むのに合わせて、哺乳類と植物の多様性が段階的に高まったことだ。これは、デカン・トラップがCO2を排出していたと思われる時期と重なっている。 ライソン氏は言う。「最近の研究の結果、デカン・トラップが創造主なのか、それとも破壊者なのかという興味深い疑問が生じています」世界で850万人が愛読するビジュアル月刊誌。自然、動物、環境、宇宙、歴史、文化などの様々なジャンルを通じ『地球の今』を読者の皆様に、毎月お届けいたします。ログインして問題を解くと自然保護ポイントが 大量絶滅は、大量絶滅の直後には、空席になったこの時期、大陸は古生代腕足類や魚類のデータから、高緯度より低緯度の、淡水域より海水域において絶滅率が高いことが判明している。 12 | doi: 10.1038/ndigest.2011.111230 .
ここ10年間の研究から、デカン・トラップが70万年ほどの間に複数回にわたって噴火を起こしたことが明らかになっている。問題は、それが大量絶滅にどう関与したかだ。 地球の歴史上、特に規模が大きな大量絶滅は5回起きている。 絶滅すべきやろ大量絶滅は、恐竜だけでない。地球では恐竜絶滅と同等以上の大量絶滅が、「少なくとも5回」あったとされる。(実際は9回以上ありそう)そして現在は、6回目の大絶滅が「猛スピード」で進行中だ。それぞれの時代を代表する生物と大絶滅はどの
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