研磨材 粒 径

ALL RIGHTS RESERVED. サブミクロンレベルの極めて高い形状精度(平たん度、平行度、真円度、曲率など)しかし、これらの要求項目を全て同時に満足するようなポリシング条件を選定することは、簡単ではありません。例えば、前述したような高度な加工ニーズを同時に満足できる、あるいはそれに近い精度での加工が期待できるポリシング法を、超精密ポリシング法と規定します。続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 © 2015-2020 IPROS CORPORATION. シリコンデバイスを中心とする半導体素子、HDD やDVD などの磁気や光による記録・記憶部品、レンズ・反射鏡などの光学部品、LED や太陽電池など省エネ・クリーンエネルギー関連部品など、最先端技術分野で使われる高機能部品の製造には、高精度な精密加工技術が使われています。その最終工程として不可欠なのが、研磨加工です。研磨加工は、有史以来の最も古い加工技術です。現在の先端産業においても、基幹技術の一つとして重要性を増しています。本連載では、研磨加工の基本知識から最新技術動向まで、分かりやすく解説します。研磨は、微細な硬い粒子(砥粒)を多数同時に作用させて、対象表面を少量ずつ削ることにより、表面の凹凸(粗さ)を小さくして鏡面状態にする加工作業です。代表的な研磨対象について、加工の目的と期待する効果を示します研磨により材料表面の粗さが小さくなると、光の反射率が高まり、つや・光沢が増します。また、透過率も高まります。古来、人はその輝きに神秘を感じ、鏡などに珍重してきました。近代産業においても、研磨加工は工学的・工業的に多くのメリットがあります。特に、最先端技術の中核をなす光学素子、半導体素子、磁気デバイス素子などの高機能部品では、高平たん、高平滑で、加工変質層が残留しない高品位表面仕上げが必須とされます。そのためには、超精密な研磨技術の適用が不可欠です。また、これらの素材の多くは硬くもろいため、加工が困難です。今後、さらに高度な研磨技術が求められることになるでしょう。近代製造業のモノづくり現場では、さまざまな精密加工法が利用されています。例えば、固体工具を用いる機械的加工法、エッチングや電解研磨などの化学的加工法、放電加工や電子ビーム加工などの電気的加工法、レーザ光を利用する光学的加工法です。このうち、最も種類が多く汎用性が高いのが、固体工具を用いる機械的加工法です。機械的加工法は、単刃工具(刃先を一定形状に整形した工具)を用いる切削加工法と、多刃工具(多数の不整形砥粒)を作用させる砥粒加工法に大別されます。また砥粒加工法は、砥粒を結合剤で固めた成形工具(いわゆる砥石)を用いる固定砥粒方式と、砥粒をバラバラの状態で供給する遊離砥粒方式に分けられます固定砥粒方式には、研削、超仕上げ、ホーニング、研磨布紙(フィルムを含む)加工などがあります。一方、遊離砥粒方式には、粗砥粒を用いて高能率加工を志向するブラスト加工、超音波加工、ラッピングや、微細砥粒を用いて鏡面化を図るバフ仕上げ、ポリシングなどがあります。ところで、本連載のテーマである研磨加工は、砥粒加工法に含まれる加工手法です。では、研削加工と研磨加工は、砥粒加工技術を支える両輪です。両者の一般的なイメージは、このようなものではないでしょうか。研削加工:円盤状砥石(といし)を研削盤に装着して高速回転させ、工作物に対して一定の切り込みを与えて削る加工法しかし、研磨加工では、研削用砥石とほぼ同一の工具を使う場合もあり、研削と研磨の違いは必ずしも明確ではありません。そこで、以下のように区別することで、両者の違いはより明確になります。研削加工:運動制御(転写)方式の砥粒加工法運動制御方式は、工具に一定量の切り込みを与え、工具の運動軌跡を忠実にワークに転写させる強制切り込み方式です。研削加工だけでなく、切削加工もこの方式に属します。圧力制御方式は、工具あるいはワークに一定の負荷を与え、押し付けながら相対運動させることで、加工量(除去量)を加工距離あるいは加工時間で管理する方式です。ラッピング、ポリシング、ホーニング、超仕上げなど、研磨加工法の多くがこれに属します。運動制御方式の場合、工作物に対する工具の切り込み精度や送り精度が、そのまま加工精度に反映されます。そのため、高い精度で加工を行うには、装置の構造や運動機構が高い剛性を有し(変形やガタが少ない)、微細かつ高精密な工具送りが求められます。さらに工具自体も、高い剛性を有する損耗しにくい材質で、かつ高い精度に仕上げられていることが必須です。これに対して、圧力制御方式は、工作物を一定の圧力で工具に押し付ける方式なので、加工装置自体の剛性や運動精度が直接的に加工精度に反映されません。工具(ラップ、ポリッシャ、砥石など)の形状精度や砥粒保持剛性が保証されていれば、加工精度の確保は比較的容易といえます。したがって、一般論としては、研磨加工は研削加工に比べて装置コストが低く、装置管理も容易という利点があります。円柱、円筒、平面、溝、穴などの目標形状を高い寸法精度で加工するには、運動制御方式の研削加工を適用し、鏡面化などの仕上げ加工には、圧力制御方式の研磨加工を適用するのが、基本的な使い分けです。いかがでしたか? 今回は、研磨加工の定義、精密加工における位置付け、研削加工との違いを説明しました。次回は研磨加工の種類と基本構成を解説します。お楽しみに! 参考文献 前回は、研磨加工の定義、精密加工における位置付け、研削加工との違いを説明しました。今回は、研磨加工法の分類と、砥粒について詳しく解説します。研磨加工は、圧力制御(転写)方式の砥粒加工法に位置付けられます。また砥粒加工法は、固定砥粒方式と遊離砥粒方式の2つの研磨法に分類できることは、前回説明しました。さらに、それぞれの研磨法を分類してみましょう。すっきりと分類することは難しいものの、ここでは粗研磨と精研磨に区分します(粗研磨は、比較的粗い砥粒を用いる研磨法です。粗面仕上げが要求されている場合や、仕上げ研磨の前工程として適用されます。精研磨は、表面粗さの小さい鏡面や、加工変質層の少ない高品位の表面を得るための仕上げ研磨法として適用されます。研磨加工の基本的構成要素として、以下の3つ(砥粒、工具、研磨装置)が挙げられます。ここでは、砥粒について詳しく解説します。砥粒は、研磨加工における最も重要な構成要素の一つです。天然砥粒と人造砥粒があり、それぞれに多くの種類と、大きさ、形状があります。近年の研磨加工では、このうち、アルミナ(α晶)、炭化ケイ素、炭化ホウ素およびダイヤモンドは、極めて硬度が高く(モース硬度9以上、ビッカース硬度Hv=2,000以上)、融点や昇華点も2,000℃以上と高いため、ラッピングなどの粗研磨用砥粒として多用されています。それ以外の酸化物系砥粒は、硬度が若干低く(モース硬度7以下)、機械的切削作用も弱いため、ポリシング用にのみ利用されています。なお、鉄系材料の高能率研削用砥石には、cBN(立方晶窒化ホウ素)砥粒が重用されています(cBN砥粒は研磨加工に使われることはほとんどないため、天然砥粒としては、コランダム(不純物として酸化鉄(III) Feアルミナ Al続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 前回は、研磨加工法の分類と砥粒を解説しました。今回は、研磨加工に用いられる工具と装置について解説します。遊離砥粒加工では、ワーク表面に対して、多数の砥粒を空間的にも時間的にも、均一かつ安定して作用させることが必要です。そのため、ワークに対する圧力媒体としての、また形状転写基準としての工具の選定は極めて重要です。工具は、ラッピングではラップ(またはラップ定盤)、ポリシングではポリシャ(または研磨布)と呼ばれています。以下に、ラップ用およびポリシャ用工具材料の代表的な例を示します(ラッピング用工具であるラップには、高い寸法精度や形状精度が要求されます。また、以下のような特性が求められます。ラップ材料の具体例としては、硬質金属(鋳鉄や鋼)や、無機材料(セラミックスやガラス)が挙げられます。中でも鋳鉄(主に球状黒鉛鋳鉄)は摩耗しにくく砥粒保持力も高いので、安定した加工性能を持続できます。そのため、シリコンウエハなど高精度部品用のラップとして、最も一般的に使用されています。一方、鏡面に近い精密ラッピングを期待する場合には、軟質金属である銅や黄銅などの材料が有効とされています。ラップ表面には幅、深さ共に1~2mm前後の溝(セレーション)を、10~20mmピッチで付けて用いるのが一般的です。この溝は砥粒だまりとなって、効率的かつ均一なラッピング作用を促すと同時に、切りくずの排出溝としての役割も果たします。溝の形状には、格子状、らせん状、放射状などがあります。ポリシングの目的は、表面粗さを小さくし鏡面化することです。また必要に応じて、加工変質層を除去します。ポリシング用のポリシャには、以下のような特性が求められます。ただし、これら全ての要件を同時に満たすポリシャを見つけることは難しく、ニーズに応じて、最適なポリシャを選択することが重要です。一般的には、ラップのように硬く、ワークに傷を付けやすい素材を避け、軟質で弾みやすい素材を用います。以前は、ピッチやタール、松やになどの天然樹脂が用いられていました。最近は、合成樹脂や繊維、合成皮革が主流となっています。例外的に、ダイヤモンドやセラミックスなどの超硬質素材のポリシングには、弾性変形しにくい軟質金属を用いることがあります。電子部品の中でもシリコンウエハは、最も厳しい研磨精度が要求されます。続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 前回は、研磨加工に用いられる砥粒と工具を解説しました。今回から第5回にわたり、ラッピングとポリシングについて詳しく解説します。今回は、ラッピングとポリシングの違いを取り上げた後、ラッピングの加工原理と基礎特性を見ていきます。遊離砥粒方式を用いた代表的な研磨法に、ラッピングとポリシングがあります。いずれも、一定の圧力下で砥粒を介して工具とワークを相対運動させて、工具形状をワーク表面に転写する加工法です。ラッピングとポリシングは、どう違うのでしょうか? ラッピングは、数μm以上の粗い砥粒と、金属やセラミックスなどの硬質工具(ラップ)を用いて、できるだけ速く、高能率に所定の形状・寸法に近づける工程です。これに対し、ポリシングは数μm以下の微細砥粒と、合成樹脂などの軟質工具(ポリッシャ)を用いて、前工程のラッピングや研削加工後の表面粗さを低減し、平滑化します。このようにポリシングは、加工変質層の僅少化、さらには完全除去を目的とした仕上げ工程です。ラッピングは、ラップに接触するワーク表面全面を微小切削、あるいは微小破壊する機械的加工法です。散布された多数の硬質砥粒の先端が、同時にワーク表面に押し込まれ、個々の砥粒先端は微小工具として働きます。ワークの材質や加工条件により、湿式ラッピングと乾式ラッピングに分類できます(砥粒と加工液との混合スラリー(ラップ剤)を用いる湿式ラッピングでは、砥粒はラップとワークの間を転動しながら作用します。ワークが金属材料の場合、転動砥粒の先端切れ刃がワーク表面を微少量ずつ切削するため、梨地状の粗面になります(一方、乾式ラッピングは、ラップに埋め込まれ半固定化された砥粒が作用し、長い引っかき痕を有する切削作用が主体の加工形態になります。金属材料の仕上げ工程に多く適用されます。ラッピングにおける最も重要な加工特性は、加工能率と表面粗さです。加工能率は、トライボロジーにおける掘り起こし摩耗理論と同じ考え方から導き出されます。先端頂角 2θの砥粒1個が、金属表面に荷重W砥粒の形状が同じ(θが一定)であれば、粒径に関係なく加工量も同じになるはずです。しかし、実際の金属材料のラッピングでは、加工量は粒径の増大に応じ、若干増える傾向が認められています(一方、ガラスのようなぜい性材料のラッピングの場合、ワーク表面にどのようなクラックが生じ、微小破砕に至るかを予測することは、かなりの手間を要します。続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 前回は、ラッピングの加工原理と基礎特性を解説しました。今回は、固定砥粒方式の粗研磨法について解説します。よく利用される固定砥粒方式の粗研磨法には、超仕上げ加工、ホーニング加工、研磨布紙加工があります。前回解説した、遊離砥粒方式のラッピング加工の場合、加工状態を常時安定に維持させるため、定常的にラップ剤(砥粒と加工液との混合スラリー)を供給する必要があります。そのため、次のような課題が残ります。そこで、ラッピングと同じ圧力負荷方式の加工を、砥石のような固定砥粒工具を用いれば、上述のようなラッピング加工の短所を回避でき、より効率的な加工が可能になります。超仕上げ加工は、比較的粒度の小さい砥石に微小振幅(約1~4mm)の低周波振動(約10~50Hz)を与えながら、ワーク表面を移動させる定圧研磨法です(超仕上げ加工の特徴は、短時間で、寸法精度および平滑性に優れた表面が得られることです。超仕上げ加工では、砥石は常にワークと面接触しています。砥石作業面はドレッシング作業を行わなくても目詰まりを起こさないため、高い切削性を長時間保持する能力を有する必要があります。そのためには、適度な砥粒支持力と強度を持つボンドを使用した、多孔性に富む砥石が望ましいです。ベアリング、自動車部品、家電部品などの機械部品の超仕上げには、#600~#800を中心に、#100~#2,000のWA(ホワイトアランダム)系およびGC(グリーンカーボランダム)系のビトリファイドボンド砥石を用いることが多いようです。最近では、微粒のCBN(立方晶窒化ホウ素:Cubic Boron Nitride)やダイヤモンド砥粒を用いた超砥粒砥石も開発され、ガラスやセラミックス材料への適用も盛んになりつつあります。ボンド剤(結合剤)には、小径部品や軟質材料に対してレジン、超硬質材料に対してはレジンやメタルなど、ビトリファイド以外のボンドを使います。加工液は、一般的に軽油にスピンドル油やマシン油、またはタービン油などを10~30%混合したものが使われています。潤滑性だけでなく洗浄作用も考慮して、水溶性の液を利用する場合もあります。加工条件は、一般的に以下のようになります。砥石に与える振幅と振動数の関係として、ホーニング加工は、ホーン(Hone)と呼ばれるスティック状砥石を複数個取り付けた保持具(ヘッド)を、円筒状ワークの中心部に挿入し、砥石を円筒内面に押し付けながらヘッドを回転させると同時に、軸方向に往復運動させる研磨法です( 超仕上げ加工と同じ点は、比較的結合度の低い砥石を、加工物表面に一定圧力で押し付けることです。異なる点は、数10~数100mmの長ストロークで、砥石を2方向にクロスさせながら等速運動させることです。続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 前回は、固定砥粒方式の粗研磨法を説明しました。今回は、ポリシング加工方式の種類と概要を解説します。ポリシング加工とは、加工物の表面を平たん化・平滑化する仕上げ加工です。微細砥粒スラリーと軟質ポリシャを使って研磨を行います。最近は、高精度化、高能率化、低コスト化が進み、さらには省エネルギー・エコロジー化を志向した新しいポリシング法が次々と開発・実用化されています。全てのポリシング法を明確に分類することは難しいものの、私なりに試みた分類を遊離砥粒ポリシング方式とは、ポリシャと呼ばれる板状工具上に、バラバラに遊離した状態の砥粒を供給し、ワークを押し付けて相対運動させる、最も一般的なポリシング方式です。単にポリシングといえば、この遊離砥粒方式を指す場合が多いようです。ポリシング対象ごとに、よく利用される砥粒とポリシャの組み合わせを機械的研磨法とは、遊離砥粒方式の中で最も一般的かつ基本的な研磨法です。微細な硬質砥粒の先端が微小な引っかきや切削作用を及ぼし、鏡面化を進行させます。古くは、勾玉(まがたま)や金属鏡の研磨に用いられました。現在でも、金属やセラミックスなど、精密機構部品の最終研磨法として多用されています。回転するディスク状のポリシャ上に、サブミクロンサイズの硬質砥粒と加工液とを混合した研磨剤(スラリー)を供給しながら、ワークを一定の圧力で押し付けて研磨する接触式ポリシングが最も一般的です。超微細砥粒スラリーの中に、ワークを浸して半浮遊状態で研磨する液中ポリシングや、ボウル・フィードポリシングも同じ部類の研磨法です。極限的スケールの加工単位で研磨するため、加工変質層はほとんど残留しない超平滑ポリシングが可能となります。また、動圧効果により、工具とワーク表面の間に浮上隙間を発生させ、間隙(かんげき)に流入した超微細砥粒を、ワーク表面に接線方向から弾性衝突させる、非接触式ポリシングも開発されています。最初に提案されたのは、球状工具を高速回転させるEEM(弾性放出加工:Elastic Emission Machining)法です。原子配列を崩さずに鏡面研磨をする無じょう乱ポリシング法として実用化されています。このEEM法を通常のディスク研磨方式へ展開したのが、フロートポリシング法と、非接触ポリシング法です。定盤の表面形状を工夫したことで、動圧効果により低速回転でも安定して非接触状態を維持できます。光学素子やシリコンウエハなど、大面積部品に対しても適用可能な無じょう乱ポリシング法です。化学援用機械的研磨法は、機械的研磨法に何らかの化学的効果を加えた研磨法です。硬質砥粒による微小切削の際に生じる加工ひずみ(加工変質層)を化学的効果で除去するか、あるいは生じさせない超精密研磨法です。特に、半導体ウエハなど高機能素材に不可欠な研磨法と位置付けられています。ケミカル・メカニカルポリシングは、研磨液の化学的エッチング作用と、砥粒の機械的切削作用とを複合させたプロセスです。シリコンウエハの最終ポリシングに採用されているのは、ほとんどこの研磨法です。最近、デバイスウエハのプラナリゼーション加工(平たん化)に不可欠な技術として普及しているCMP(化学機械平たん化:Chemical and Mechanical Planarization)も、基本的にはシリコンウエハのケミカル・メカニカルポリシング技術から派生した研磨技術です。また、従来の板状ポリシャの代わりに、樹脂粒子を砥粒保持媒体とする複合粒子研磨も、さらなる高精度化を狙ったケミカル・メカニカルポリシングの一手法といえます。ケモメカニカルポリシングは、研磨液の作用により加工物表面に生成した水和膜や酸化膜などを、砥粒の切削作用で除去するポリシング法です。ガラス研磨における化学作用説の根拠にもなりました(ガラス研磨は、第7回で解説)。砥粒の機械的擦過作用は、生成膜の下層にあるバルク表面までは及ばないため、加工変質層を残留させずに済みます。そのため、最近のデバイスウエハのメタル配線CMPにも、本手法が援用されています。一方、メカノケミカルポリシング(MCP:Mechanochemical Polishing)は、力学的にはワーク材料よりも柔らかいものの、ワークと直接的な化学反応を起こし得る粉体を砥粒として利用するポリシング法です。最大の特徴は、砥粒の押し込みや切削作用が起こらず、加工ひずみのない超平滑表面が容易に得られることです。これまで、超精密研磨が難しいとされた超硬質材料(サファイヤ、炭化ケイ素、窒化ケイ素など)に対して、特に有効な研磨法です。なお、メカノケミカル効果は、力学的応力の作用下で化学反応や相変化が促進される効果を意味し、粉体工学の分野では古くから用いられてきた用語です。場援用研磨法は、FFF(Field assisted Fine Finishing)とも呼ばれます。磁場や電場などの場(Field)における吸引力や反発力を利用して、直接的あるいは間接的に砥粒を加工物に押し付けたり、砥粒の切削作用と加工液の電解・溶去作用を加えることで、ポリシング効果を上げる方式です。磁気援用研磨には、磁場を発生させ磁性砥粒を加工物表面に押し付けて研磨する方法と、磁性流体に加圧力を発生させて、非磁性研磨砥粒を加工物に押し付けて研磨する方法があります。特徴は、平面だけでなく、円筒の内外面や異形部品に対しても均一圧力で鏡面化できる点です。電場援用研磨には、電気泳動現象で帯電砥粒を加工物表面へ引き付ける方式と、逆に砥粒を研磨定盤面に吸引して半固定状態の研磨工具とし、この工具表面にワークを押し付ける方式が考案されています。最近、遊離砥粒に代わり、適当な結合剤(ボンド)で砥粒を固定した砥石を用いる、固定砥粒方式のポリシング手法の実用化が盛り上がりつつあります。ポリシング用砥石の具備すべき条件は、以下の2つです。1.作用砥粒の切れ刃高さがそろっていること続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 前回は、ポリシング加工方式の分類と概要を解説しました。今回取り上げるのは、ポリシングの基本メカニズムと特性です。ポリシングの主な加工メカニズムには、微小切削説、表面流動説、化学作用説の3つが唱えられています。微小切削説は機械的、表面流動説は熱的、化学作用説は化学的な作用や効果との解釈です。しかし、実際の加工現象としては、これらの効果が単独ではなく、むしろ複合的に作用することの方が多いです。また、材料や加工条件によって、いずれかがより強く作用すると考えられます。砥粒が材料表面に押し込まれたとき、砥粒との接触点近傍では、優先的に塑性変形が生じます。この現象は、塑性変形しやすい金属材料の場合は常に発生します。また、ぜい性破壊を主体に変形する非金属ぜい性材料(セラミックスなど)の場合でも、作用する砥粒が極めて小さく押し込み深さが浅いときには塑性変形が発生します。粒径1μm以下の微細砥粒と、軟質ポリシャを利用するポリシングでは、この塑性変形を主体とした微小切削作用により研磨が進行します。微小切削で発生する切りくずの最小単位は、どのくらいの大きさでしょうか? 銅単結晶に関する理論的・実験的検討によれば、数原子層分の厚さに相当する1nm程度の切りくずを発生させることも可能です。このことは、連続体物質としての限界的大きさであっても、切削が可能であることを示しています。また、銅単結晶の微小切削に関する分子動力学的解析によると、極限的微小切削には表面の原子配列にほとんど乱れがなく、加工ひずみが残留しない加工が可能です(ただし、実際のポリシング加工では、砥粒の粒径にばらつきがあるため、全ての砥粒先端の切り込み量を極微小量にそろえ、加工変質層をゼロにすることは容易ではありません。機械的微小切削作用の場合でも、実際の加工点では、材料の塑性変形や工具との摩擦に伴う発熱により、接触点局部が高温軟化し、溶融を起こすことがあります。これが表面流動です。この流動層がワーク表面に残留する切削痕や微細クラックを覆い隠してしまうため、表面が鏡面状態になります。研磨表面がベイルビー(Beilby)層で覆われていると、表面は見かけ上、鏡面状態になります。ただし、エッチングを施すと流動層は除去され、表面下に残留していたスクラッチや、微小クラックなどの痕跡が表面に現れます。スクラッチ、クラック、転位などの欠陥部分は、無欠陥部分よりもエッチングされやすいため、欠陥の存在がより強調されて観察されます。そのため表面エッチングは、加工欠陥の簡易観察法としてもよく利用されます。化学作用説は、ガラスの研磨メカニズムとして1930年代に提唱されました。その後、研磨液の化学的浸食でガラス表面に生じた水和層が、砥粒により除去されるという加工メカニズムが実験的に明らかにされました。また研磨速度は、水和層の生成速度と硬さに依存することも分かり、化学作用説の有意性が実証されました。続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 前回は、ポリシングの基本メカニズムと特性を解説しました。今回は、最終回です。最近の超精密ポリシング法と適用事例を紹介します。一般的な機械部品や構造材料の研磨では、多くの場合、平たん度や曲率などの形状精度が所定の範囲内で、光沢や平滑性が確保されれば十分とされます。そのため、通常は微小切削作用または熱流動作用に基づく機械的ポリシングで条件を満たします。しかし、シリコンをはじめとする半導体素子や、レーザ・LED用光学素子、磁気記憶・記録素子など、最近のエレクトロニクス・オプトエレクトロニクス用高機能材料には、高機能材料に対しては、以下に示す3つの品質が同時に達成される高度な表面研磨が必要とされます。1.

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